36人が犠牲になった京都アニメーション放火殺人事件で、一審で死刑判決を受けた青葉真司死刑囚の控訴の取り下げについて、大阪高裁が「有効」と判断したことが分かりました。
青葉真司死刑囚は、2019年、京都アニメーション第1スタジオに放火し、36人を殺害した罪などに問われていました。一審では、青葉被告の刑事責任能力の有無などが争われ、京都地裁は完全責任能力を認め、死刑判決を言い渡しました。
青葉死刑囚の弁護人が控訴した一方で、被告本人が去年1月に控訴を取り下げ、死刑が確定。その後、弁護人が控訴の取り下げを無効とするよう申し立てていました。
大阪高裁によりますと、青葉死刑囚は取り下げをした理由について「控訴しても死刑判決が変わることは無いと思った」「鑑定医に被告人の話を妄想と言われ、控訴審でも同じことを繰り返して妄想と言われるなら何のために裁判をするのか分からない」などと説明していたということです。
大阪高裁は控訴の取り下げの有効性を判断するためには、青葉死刑囚がり患している「妄想性障害が意思決定に作用したかどうかが問題となる」としましたが、「妄想と認定されたうえで死刑になるよりは、控訴を取り下げた方がよいと考えることは正常な判断として不合理ではない。妄想が作用した可能性は否定できないものの、その影響はかなり限定されたものといえる」との判断を示しました。
大阪高裁によりますと、この決定に対する弁護人からの「不服申し立て」は17日午後1時時点では出ていないということです。
一方、京都アニメーションは「亡くなられた社員、被害に遭った社員、近しい方々の無念を思うと、心が痛むばかりです。法の定めるところに従い、然るべき対応と判断をいただく外ないと承知しております」とコメントしました。