ダム緊急放流被害、住民側敗訴=操作規則の誤り認めず―西日本豪雨訴訟・松山地裁

2018年の西日本豪雨で、決壊防止のために行われたダムの緊急放流時の操作や避難情報の提供の不備で被害を受けたとして、愛媛県の肱川下流域の住民ら31人が国や自治体に計約5億3800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、松山地裁であり、古市文孝裁判長は請求を棄却した。原告側は控訴する方針。
西日本豪雨では、国土交通省四国地方整備局が管理する野村ダム(同県西予市)と鹿野川ダム(大洲市)が緊急放流を実施。下流の肱川が氾濫して住宅などが浸水し、8人が死亡した。
両ダムの操作規則の変更や放流操作、西予市と大洲市による住民への避難情報の提供が適切だったかが主な争点だった。
古市裁判長は、ダムの操作規則変更は頻発していた中小規模洪水に対し相応の効果を上げていたとし、「規則変更は安全性を欠いていたとは認められない」と述べた。
豪雨時に十分な事前放流を実施しなかったと原告が主張した点については、ダム管理者が当時、大規模な豪雨が発生すると認識できたとは認められないと指摘。操作規則を柔軟に運用すべき特段の事情があったとは言えないとして退けた。
自治体による避難情報の提供については、西予市は消防団の戸別訪問でほとんどの住民を避難させており、大洲市は通知が遅かった批判は免れないものの「著しく不合理だったとは言えない」と結論付けた。 [時事通信社]