警察庁は19日、昨年1年間のストーカー規制法違反事件の摘発が1546件(前年比205件増)に上り、過去最多だったと発表した。4年連続の増加で、殺人など重大事件も相次いでおり、警察当局は同法に基づく警告や禁止命令も活用して対応を強化している。
警察庁によると、内訳は、つきまといなどの「ストーカー行為」が1302件、「禁止命令違反」が244件だった。このほか、傷害や住居侵入といったストーカーに絡む刑法犯などの摘発も2171件(同428件増)に上った。
ストーカーを巡る情勢は深刻で、全国の警察には昨年、2万2881件(同3314件増)の相談が寄せられた。相談者は30歳代以下が約7割を占め、若年層の被害が目立った。
神奈川県警にストーカー被害を訴えていた川崎市の女性(当時20歳)が昨年4月に遺体で見つかった事件では、県警の不十分な対応が問題となった。
これを受け、警察庁は昨年9月、ストーカー事案の司令塔となる幹部の配置やマニュアルの整備などの体制の強化を図るよう全国の警察に指示した。
こうした対応もあり、昨年のストーカー規制法に基づいて出された禁止命令は過去最多の3037件(前年比622件増)に上り、警告も1577件(同98件増)となった。
ストーカーの手口は近年巧妙化している。なかでも無線通信を使って居場所を特定する「紛失防止タグ」に関する相談は679件と前年の1・8倍になった。
昨年12月施行の改正ストーカー規制法では、同タグの悪用が規制対象に追加された。水戸市のアパートで同月、住人女性が殺害された事件では、殺人罪で起訴された元交際相手の男が、女性の車に紛失防止タグを取り付けていたとして、同法違反でも起訴された。
元交際相手らの性的画像を無断で公開する「リベンジポルノ」に関する被害相談も年々増え、昨年は2514件(同386件増)で過去最多だった。関係性は「交際相手・元交際相手」が44%で、「ネットだけの知人友人」が33%と続いた。