日米首脳会談が終了 日本・アメリカ それぞれの受け止めは?

日本時間の20日に行われた日米首脳会談ですが、日本側とアメリカ側、双方が今回の会談をどのようにみているのでしょうか?
──日本側の評価について、日本テレビ・政治部官邸キャップの矢岡亮一郎記者が解説します。
日本側の評価は「何とか切り抜けた」。ある政権幹部がこう表現していますが、まさにこの印象です。
自衛隊の派遣要請があるのかが注目された今回の首脳会談でしたが、ある首相周辺は会談前、「大統領の優先課題は、実はホルムズ海峡の安定化ではなく、これによる原油高、国内の物価高だ」と分析していました。
今回、日米両政府は「アラスカ産原油の増産、共同備蓄」の方針を確認。原油高対策に焦点を当て、「何とか切り抜けた」というわけなんです。
外交経験が豊富なある自民党の議員は、「できないことはできないと言えばいい。エネルギー・経済で貢献すればいい。トランプ大統領は、ビジネスマンなんだから」と、その理由も語っています。
──トランプ大統領は今後、もう自衛隊の派遣を求めてくることはないのでしょうか。
今回、トランプ大統領は、ホルムズ海峡の安全確保に向け、日本に何らかの「貢献」は求めました。高市首相は会談後、「日本の法律の範囲内で、できることとできないことがあるので、きっちりと説明した」と説明しました。
複数の政権幹部はこの際、「高市首相は憲法の話を持ち出して説明した」と明かしています。
自衛隊の派遣が難しいのは、アメリカ主導で作られた憲法が理由、との理屈です。
今回、首脳会談そして夕食会で、たびたび高市首相の選挙での歴史的勝利に言及しましたが、トランプ大統領は、この強い政権基盤を持つ高市首相ですら憲法改正が難しいのか、との印象も抱いたようです。
今回、憲法も持ち出して、何とか「できない理由」をトランプ大統領にのませた形ですが、「納得、とまではいかない。仕方ない、というトーン」のようです。
トランプ大統領からは「日本は期待された役割を果たそうとしている。日本がより積極的に貢献してくれることに期待している」との言葉も、会談冒頭のカメラの前で記録されています。これにどう応えるのか、課題も浮き彫りにしたワシントン訪問となりました。
──続いて、この会談をアメリカ側はどのようにみているのでしょうか? 日本テレビ・国際部の山崎大輔ワシントン支局長が解説します。
アメリカ側の受け止めですが、トランプ大統領は上機嫌で会談を終えたように見えます。というのも、高市首相の訪問はトランプ氏にとって「渡りに船」だったからです。
トランプ氏はここ数日、艦船をホルムズ海峡に送れと同盟国に呼びかけているのに、今のところ応じた国はありません。
まるでアメリカが孤立しているように見えかねない状況の中で、日本からは支持されているという姿を対外的にアピールする場として、首脳会談を利用した形です。
ホワイトハウスはSNSで首脳会談の様子を発信しましたが、高市首相の「世界中に平和をもたらせるのはドナルドだけ」という部分を切り取って紹介。自分がいかに支持されているかをアピールしています。
こうした状況もあって高市首相へのさまざまな配慮が見えた会談となりました。
──そうすると、トランプ大統領から厳しい要求を突きつけられることは、回避できたということですか?
そこはまだ予断を許しません。というのも、トランプ氏はいま原油価格の高騰を抑えることで頭がいっぱいですが、解決策が見つかっていないからです。
この日の会談でも、中東に追加部隊を派遣しない考えを示したり、イスラエルにエネルギー施設を攻撃しないよう伝えたことを明らかにするなど、戦闘を早く終わらせたい思いをにじませました。
今回の会談の前に日本は、ヨーロッパの国と共同で声明を発表し、ホルムズ海峡の安全確保のために「適切な取り組みに貢献する用意がある」と表明しました。
声明で市場を落ち着かせ、トランプ氏との会談にスムーズに入る狙いがありましたが、一方で、各国による軍隊の派遣など具体的な内容には踏み込んでいません。
こうした中でもイラン側は周辺国のエネルギー施設への攻撃を激化させているので、トランプ大統領の苛立ちがつのれば、改めて日本に対して自衛隊の派遣などを求めて圧力を強める展開もありえます。