修学旅行に絡み何らかの理由で児童生徒が死亡し、見舞金が支払われたケースが平成17年度以降の20年間で計22件あったことが、給付制度を運営する独立行政法人「日本スポーツ振興センター」(JSC、東京)の調査で分かった。沖縄県名護市の辺野古沖で船2隻が転覆し、同志社国際高(京都府)の2年の女子生徒(17)が死亡した事故も、平和学習を目的とした研修(修学)旅行中に起きた。事故の防止や早期対応のために、国は全学校に危機管理マニュアルの策定を義務付けている。
児童生徒らが授業や学校行事などの学校管理下での事故で死傷した際などに、医療費や見舞金が給付される「災害共済給付制度」。この制度を運営するJSCのデータベースによると、平成17年~令和6年度に学校行事中の事故で死亡見舞金を支払った事例は計87件あり、このうち修学旅行は計22件だった。
予兆がなかったとみられる突然死が目立った。ただ海で高波にのまれて溺死したり、宿泊先のホテルのベランダから転落死したりする例もあった。
このほか遠足での死亡例は5件あった。帰りのバス車内で体調不良を訴え、その後死亡するなどのケースだった。
事故や事件、災害から児童生徒を守るため、平成21年に学校保健法が学校保健安全法に改正され、全国の学校に危機管理マニュアルの作成などが義務付けられた。
文部科学省が作成したマニュアル作成の手引によると、校外活動の際は「事前に現地の状況や気象情報などを十分に把握する」「悪天候などを想定し、活動中は気象情報に気を配る」ことが挙げられていた。
同志社国際高の西田喜久夫校長は17日に開いた記者会見で、マニュアルに従った事後対応はできていたとの認識を示した上で「実際に事故が起きてしまったという点を考えると、何らかの不備があったのでないかと思う」などと語った。
教育現場での危機管理研修などを手がける「学校リスクマネジメント推進機構」(東京)の宮下賢路代表は、事前の対策として「天候や地理的なリスクの『見える化』が必要だったのではないか」などと指摘した。(東九龍)