政府は27日、2026年度から5か年の科学技術政策の方針となる「第7期科学技術・イノベーション基本計画」を閣議決定した。計画期間中の研究開発への投資目標額は、政府が現行目標の倍となる60兆円で、官民合わせ180兆円とした。いずれも過去最大で、低迷が指摘される研究力の復活につなげる。
5年ごとに策定する基本計画では投資目標額を設定しており、予算編成での目安となる。これまでの政府目標は30兆~17兆円で、伸び率は最大でも約4割だったが、新計画では大幅に引き上げた。研究力低迷への危機感に加え、物価上昇による実質的な研究費の減少も背景にある。
政府は、科学研究費助成事業(科研費)の増額や研究人材への支援強化、研究開発への投資を促す税制改正などで目標達成を目指す方針だ。
新計画ではこのほか、科学技術と安全保障の政策を連携させることを初めて明記し、民生と軍事の双方で活用できる「デュアルユース(両用)」の研究開発の推進を盛り込んだ。重点的に支援する「重要技術領域」は、素案の段階から新たに「防衛産業関連技術」を加え、人工知能や核融合などと合わせ17分野とした。
高市首相はこの日の総合科学技術・イノベーション会議で、「優れた科学技術イノベーションは、強い経済の基盤であると同時に、安全保障上の目的を達成するために不可欠だ。次の5年間で基礎研究から人材育成、社会実装、産業競争力の強化まで、高市内閣が一体となって政策を推進していく」と述べた。