【パリ=北村友啓】茂木外相は28日、フランスのパリ近郊セルネラビルで開かれた先進7か国(G7)外相会合など、一連の外遊日程を終えた。中東やウクライナ情勢を巡り、米欧の「橋渡し役」として結束維持に腐心したほか、中国が力による現状変更を試みているインド太平洋地域に各国の関心を向けることにも注力した。
茂木氏は外相会合閉幕後、記者団の取材に応じ、イラン情勢を巡り「事態の早期沈静化の重要性について、全ての国で考えを共有できた」と振り返った。
外相会合は、ホルムズ海峡への艦船派遣を巡って米欧のすきま風が指摘される中での開催となり、G7が一致した対応を打ち出せるかが焦点となった。ルビオ米国務長官不在の26日には、先の日米首脳会談に同席した茂木氏に会談の申し入れが相次ぎ、仏英独の外相と個別に意見を交わした。
茂木氏は「ホルムズ海峡では全ての船舶の航行の安全を確保することが重要」だと強調し、米国への歩み寄りを促した。日本政府高官は「米欧をつなぐ役割が今の日本にはある」と語る。
ただ、米欧間の相互不信は深く、一筋縄でいかないのも実情だ。欧州各国はウクライナ情勢を巡っても、米国のロシア寄りの姿勢に懐疑的だ。同行筋によると、ウクライナ支援を巡る議論では米欧が対立し、茂木氏が間を取り持つ場面もあった。
一方、27日に行われた地域情勢に関する討議では、茂木氏が関係が悪化している日中関係について説明。米欧のインド太平洋地域への関心が相対的に薄れる中、「欧州・大西洋とインド太平洋は一体不可分だ」と強調して関心のつなぎとめを図った。
外務省幹部は「日本の存在感が高まっている今だからこそ、各国の理解を得る好機だ」と話す。