三陸の秋冬の味覚、生食用のカキの出荷が7日、宮城県内一斉に解禁された。水揚げされたカキの殻をむく作業が各地で始まり、生産者らが山のように積まれた殻から身の締まったカキを次々と取り出し、出荷の準備に汗を流した。
石巻市渡波の万石浦鮮かき処理場では、県漁協石巻湾支所の組合員と家族ら約150人がむき子となってナイフで手早くむいていった。今年は海水温の高さから、産卵期が遅れて身の成長も遅れ、例年の9月29日の解禁は見送られたが、約1週間待ったことで卵が消え、身も引き締まったという。
同支所の青木英文副委員長(69)は「今日の日を待ち焦がれていた。水温の影響で昨年より小ぶりだが、栄養が凝縮し、ますますおいしくなる。まずは生で味わい、フライや鍋など、いろんな食べ方を楽しんで」と話した。
今年は県内で1800トンの水揚げが目標だが、震災前の半分ほど。昨年、石巻の漁協3支所が衛生管理などの厳しい条件を満たした国際NGO「水産養殖管理協議会」によるASC認証を取得して、消費拡大を目指している。県漁協の丹野一雄会長(71)は「安心安全でおいしいカキを皆さんに食べてもらい、もう少し生産者が多くなれば」と希望を語る。【百武信幸】