7日午後4時25分頃、川崎市川崎区扇島のJFEスチール東日本製鉄所京浜地区の敷地内で、大型クレーンの解体作業中に高さ40メートルほどの足場が崩れたと119番があった。神奈川県警川崎臨港署によると、男性作業員5人が転落し、このうち2人が死亡した。1人が行方不明で、残りの2人は病院で治療を受けているという。同署は業務上過失致死傷の疑いも視野に調べる。
同署によると、5人は10~40歳代とみられる。大型クレーンは、船に積載された鉄鉱石などを積み下ろしするもので、事故当時はクレーン上部に設置された筒状の重り(500トン)を解体中だった。重りが何らかの原因で落下。クレーン脇に組まれていた足場も崩落し、作業員が巻き込まれたとみられる。
重りが落下した衝撃で、土台の鉄板に穴が開き、海面が見える状態になった。重りの内部はコンクリートで、行方不明の作業員は重りに乗り、重機でコンクリートを削る作業をしていたとみられる。重りごと落下し、穴から海に投げ出された可能性があるという。
現場はJR川崎駅から南東約6・5キロの臨海部にある工場地域。横浜地方気象台によると、川崎市では当時、強風注意報と波浪注意報が出されていた。川崎海上保安署によると、当時の風速は10メートルだった。
現場の対岸にある東扇島西公園で釣りをしていた東京都世田谷区、自営業男性(66)は「事故当時は風が強かった。バチッという音が聞こえた後、何かが落下するのが見えた。その直後にドーンという音とともに土煙が舞った。爆弾でも落ちたのかと思った」と話した。
同公園で釣りをしていた東京都杉並区の自営業男性(53)は当時、ガラガラという大きな音を聞いた。その後、「ドーン」という音がして、クレーンの周辺が水しぶきとほこりに包まれたという。
男性は「ものすごい音だったが、最初は埋め立てでもしているのかなと思った。そのうち多くの消防車や救急車が次々と集まってきたので、事故だと気付いた」と心配そうに話した。
足場、跡形もなく
7日午後6時過ぎ、本社ヘリから見た事故現場は、巨大な四角い穴が開き、穴から黒い海面がのぞいていた。
穴は大きなクレーンのすぐ近くに開いていた。周囲には、崩落した足場の部材とみられるパイプや板が重なり合い、がれきも散乱していた。足場は跡形もなかった。
現場は投光器の強い明かりで照らされていた。行方不明者の捜索に当たっているとみられる救助隊員らがせわしなく動いていた。海上にも捜索活動中とみられる船舶の姿があった。