火災や騒音の問題続発 「スクラップヤード」規制強化へ法改正案

政府は10日、使用済みの金属やプラスチックを保管する「スクラップヤード」の規制を強化する廃棄物処理法改正案を閣議決定した。今国会に提出し、成立を目指す。管理が不適切なヤードでは、火災や水質汚濁などの環境悪化が各地で問題となっており、保管やリサイクル事業を許可制にして適切な管理を促す。
廃棄物とは異なり、使用済みの家電や電子基板などのスクラップは資源を回収できるため、保管やリサイクル処理を行うヤードに集められる。現行法では、テレビや冷蔵庫、炊飯器など計32品目の家電を扱う事業者を対象に、都道府県知事らへの届け出を義務づけ、ヤードの適正管理を促している。
しかし近年、使用済みのリチウムイオン電池など規制対象外のスクラップに起因する火災が相次ぐなど、新たな問題が増加。一部の自治体は規制条例を定めているが、規制のない自治体に移って事業が続けられるケースもある。
このため、改正案では使用済みの金属やプラスチックを規制対象に加え、事業者には都道府県知事らの事前許可を得ることを義務づける。火災防止措置や保管品を積み上げる際の高さ制限など、今後政府が定める基準に反した事業者には事業停止を命じたり許可を取り消したりする。命令に従わない場合、罰則を科す。
また、規制対象品は国内でのリサイクルを原則とする。輸出する際は環境相による確認を義務づけ、資源の海外流出防止を図る。
環境省が2025年度、自治体を対象に実施した調査では、全国計4625カ所のヤードのうち255カ所で、騒音・振動103件▽飛散・漏出44件▽火災35件▽水質汚濁30件――など計275件の問題が報告された。【高橋由衣】