成田新滑走路「収用検討」、空港会社が報告…地元首長は適用に慎重姿勢

成田空港(千葉県)の滑走路新増設の用地取得が難航している問題で、成田国際空港会社(NAA)は10日、国、県、立地3市町との協議会を成田市で開き、強制的に土地を取得できる土地収用法の適用を検討する考えを伝えた。収用を巡る対立で死傷者を出した「成田闘争」とその後の協調路線を踏まえ、地元首長は地権者への再度の説明を要求。現時点での適用申請には慎重な姿勢を示した。
成田空港では、増加する航空需要に対応するため、B滑走路(2500メートル)の1000メートル延伸と、C滑走路(3500メートル)の新設工事が昨年5月から進む。しかし、補償内容に合意が得られなかったり、土地の相続人の特定が困難だったりして、全体の用地確保率は89・7%(3月末時点)にとどまる。2029年3月末としていた供用開始は延期となり、確保率99・5%(同)まで進んだB滑走路は、1年以内の遅れでの供用を目指している。
NAAの藤井直樹社長は協議会冒頭、確保率88・7%(同)のC滑走路について「任意取得の努力を継続しつつ、最終的に用地取得を確実にするために土地収用制度の活用も必要」と説明し、理解を求めた。
C滑走路予定地の約65%を抱える芝山町の麻生孝之町長は協議会後の報道陣の取材に「(土地収用の)手段を取る前に地権者の不満や不安に誠実に向き合い、解決に向けた提案をしっかりやるべきだ」と指摘。隣接する多古町の平山富子町長も「任意取得に最大限努力していただきたい」と注文をつけた。