北海道・知床半島沖で2022年4月、観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没し、死者・行方不明者26人を出した事故から23日で4年となった。地元斜里町で追悼式が行われ、被害者遺族ら90人が参列。事故が発生したとされる午後1時すぎのサイレンに合わせて黙とうをささげ、犠牲者の冥福を祈った。
山内浩彰町長は式辞で「事故を決して風化させない。安心して訪れることができる知床であるため、地域全体で具体的な行動を積み重ねる」と決意を示した。知床斜里町観光協会の野尻勝規会長は「安全の確保が最大の使命」と誓った。
行方不明となっている小柳宝大さん=当時(34)=の家族は、船が出港したウトロ漁港で黙とうした。父親は海水に手を付け、「こんなに冷たい中へ飛び込まなければならなかったと思うとつらい」と吐露。「漁港に来ると見つかっていない息子と対面するような気持ちになる」と話した。
会場の献花台には町民らが訪れ、花を手向けた。事故発生時に斜里町長として対応に当たった馬場隆さん(75)は、「乗客家族はこの4年間、苦しみや悲しみ、憤りを抱えながら生きてこられた。その気持ちが少しでも和らいでほしい」と声を絞り出した。
運航会社「知床遊覧船」社長の桂田精一被告(62)=業務上過失致死罪で公判中=の姿は見えず、同社名義で花が届けられた。 [時事通信社]