岩手・大槌の山林火災、焼失面積1100ヘクタール超に拡大…「この生活いつまで」「町の壊滅が怖い」

岩手県大槌町の2か所で起きた山林火災は、発生から3日目となった24日も延焼が続いている。町によると、焼失面積は同日午前6時現在、前日の5倍超に当たる約1176ヘクタールに拡大した。新たに倉庫1棟の建物被害が判明し、これまでに住宅など計8棟が全焼した。地上では夜を徹して放水が行われ、上空からは県と自衛隊のヘリコプターが朝から散水している。町内4か所の避難所には午前6時現在127世帯325人が身を寄せている。
町によると、小鎚地区で228ヘクタール、吉里吉里地区で948ヘクタールが焼失し、延焼範囲が大幅に拡大。町の人口の4分の1にあたる1229世帯2588人に避難指示が発令されている。
同日からは地元消防の消火活動に宮城県の緊急消防援助隊が加わり、今後は青森、秋田、山形3県の援助隊も駆けつける予定だ。自衛隊のヘリ6機に加え、岩手、宮城、秋田3県の防災ヘリが空中から散水するという。
平野公三町長は24日午前の記者会見で、「延焼状況は厳しい。昨日以上に煙がもくもくと立っている。安全安心に向けて消防と連携していく」と述べた。吉里吉里地区で水不足が発生しており、節水を呼びかけているという。
大槌町役場裏手の高台にある避難所の城山公園体育館では、24日も早朝から避難者が外に出て白煙が上る山の様子を見守った。息子と2人で避難所に身を寄せる女性(76)は「ヘリコプターの音が聞こえると『消火してくれている』と安心できる。ただ昨日はなかった風が吹いていて怖い」とさらなる延焼を危惧した。
昨年2月に岩手県大船渡市で発生した大規模山林火災では、鎮圧までに10日間以上かかり、避難の長期化が懸念される。慣れない避難所生活で疲れも出てきており、「この生活がいつまで続くのだろうか……」とこぼした。
23日に新たに避難指示が出た沢山地区の会社員女性(38)は避難所となっている吉里吉里学園小学部に身を寄せ、「昨日より煙が下りてきている」と心配そうな表情を浮かべた。消防団員の夫(43)は夜を徹して消火活動にあたっており、同校に通う長女(8)を連れて2人で避難した。夜になると山の赤い炎が見え、未明までなかなか寝付けなかった。女性は「火の範囲が広がって町が壊滅したらと思うと怖い。夫には無事に活動してほしい」と早期の鎮圧を願った。