乗客106人と運転士1人が死亡し、562人が負傷した平成17年のJR福知山線脱線事故の発生から21年となった25日、現場を通過した快速電車内では、車外に向かって手を合わせ頭を下げる人の姿が見られた。
午前9時15分ごろに現場を通過した快速電車では、伊丹駅を発車後に「安全への誓い」の放送があった。アナウンスで車掌は「私たちは、この事故を心に刻み、安全運行に努め、改めてお客さまから安心してご利用いただけるよう、全力をあげて取り組んで参ります」と述べた。乗客はアナウンスに静かに耳を傾け、車窓から見える現場周辺を見つめる人もいた。
快速電車は事故現場の手前で減速し、時速約25キロで通過した。1両目に乗車していた大阪府高槻市の介護職員、中村圭介さん(49)は、電車が現場に近づくとバッグから花束を取り出し、現場に向かって黙(もくとう)した。「一人の鉄道好きの人間としてお参りにきました」といい、「人やモノだけでなく、夢や希望も一緒に乗せて走るのが鉄道の役目。107人が亡くなり、多くの方が重軽傷を負った。絶望や恐怖や死をもたらす存在であってはならない」と語った。