クマの被害が相次ぐなか、29日、富山市では犬の散歩中の女性がクマに襲われ大ケガをしました。山から離れた海に近い地域でも、クマの目撃が相次いでいます。
富山市は30日、緊迫した空気に包まれました。
29日夜に女性を襲ったクマが見つからず、30日朝から猟友会や警察が現場周辺を警戒にあたっていたのです。
――ここで襲われた
「はっきりは分からない」
女性がクマに襲われたとみられる場所には、地面に生々しい痕跡が残されていました。
近隣住民
「『クマだから家に入って』叫び声だけ聞こえた」
警察によりますと29日午後7時半すぎ、45歳の女性は、犬の散歩をしていたということです。すると、用水路から出てきたというのが、1頭のクマ。女性は顔や頭などをひっかかれ、大ケガをしました。
襲われた女性の夫
「すぐに病院に行って『手術しますよ』と」
――大丈夫
襲われた女性の夫
「一応、大丈夫」
――どんなケガ
襲われた女性の夫
「こっちの頭とここ、こうなったかな。目は大丈夫。傷も深くないと。でもひっかかれているから、いまはICUに入っている」
一命を取り留めた女性。窮地を救ったのは、愛犬のムサシだったといいます。
襲われた女性の夫
「ほえてくれたから逃げたと(妻が)言っていた」
――この子にはケガない
襲われた女性の夫
「大丈夫。他人事だと思っていたけど、出るんだなと」
現場は、富山市北部の周囲に山がなく海に近い住宅街です。
その後、クマの行方は分からなくなっていました。警戒が続いていましたが、事態は正午前に動きました。
ヘリコプターによる探索で、ヤブに隠れたクマが見つかったのです。すぐに緊急銃猟が行われました。
住宅街に響いた12発の銃声。クマは駆除されました。市によりますと、体長およそ1.5メートル、体重は推定110キロのオスの成獣だったということです。
駆除を受けて住民は…
近隣住民
「安心して散歩に行けます」
――今までにクマ
近隣住民
「一度もない。クマなんて全然、話聞いたことない。どこから来るのか、山からか、海からか」
秋田市でも、海の近くでクマが出ました。
青い海に似つかわしくない黒い影が、パイプライン上を歩いていました。ゴールデンウイーク初日の29日、釣り人でにぎわう秋田港が一時、騒然となりました。
山から離れた海に近い地域で相次ぐクマの出没。その理由について専門家に聞きました。
岩手大学農学部 山内貴義准教授
「仙台の街中に出たような感じで、森とか川をつたって街中に出たけど、奥深くまで入っちゃって、出られなくなっちゃった。帰りたくても帰りづらい、人がいっぱいいて」
河川敷などの整備が大切だと指摘します。
岩手大学農学部 山内貴義准教授
「河川沿いがひとつ大きなポイント。この後で暑くなって草が一気に繁茂してくると、見通しが悪くなってくるので、野生動物の通り道になってしまうので、そこの整備は緊急に必要」
クマの隠れ家や通り道となりやすい河川敷の草木の伐採など、国や自治体によるスピード感を持った対策が急務となっています。