【ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか!】「GSOMIAなし」で日本政府の対応混乱? 北ミサイル発射で一部報道に違和感

北朝鮮による2日朝のミサイル発射は、私の番組「Ok!Cozy up!」の放送中に一報が入ってきました。菅義偉官房長官の会見がすぐ行われ、「北朝鮮東岸から2発の弾道ミサイルが発射された」という発表がありました。午前中、2回目の会見では、「1発の弾道ミサイルが発射され、2つに分離して落下した可能性があると考えられる」と、情報の訂正が行われています。
この件をもって、日本の一部メディアから「日本の対応は混乱している」「日韓GSOMIA(軍事情報包括保護協定)を韓国側に破棄決定させたからだ!」という批判が出てきています。
先月下旬にも、共同通信が「北朝鮮が5月以降、発射を繰り返した新型ミサイルに関し、日本政府が複数回、発射後の軌道を探知できなかった」という記事を配信しました。いずれも、韓国を追い込んだ安倍晋三政権を批判し、日本の防衛が危ぶまれると指摘しています。
最近、政治のみならず、安全保障や経済のニュースでも、アクロバティックに政権批判につなげる記事が散見されます。ただ、無理に舵を切ろうとするので、どうしても矛盾が生じます。
まず、日韓GSOMIAは韓国が破棄を宣言しましたが、即日破棄ではなく、11月23日までは維持されます。実際、このスキームを利用して韓国軍側が日本の防衛省に情報提供を依頼してきました。「どの面下げて」とは思いますが、客観的に見てGSOMIAがないから日本政府の対応が混乱したというのは事実に反します。
さらに、先に挙げた共同の記事を引いて、「そもそも、日本の探知能力に限界があるのだ」という批判もありますが、共同の記事はミサイルの高度が低すぎて探知できなかったという話です。2日の発射は、わざと高高度に打ち上げるロフテッド軌道と呼ばれる撃ち方で、探知すべきミサイルの軌道は全く違います。
ミサイルに詳しい自衛隊関係者に取材しても、低高度のミサイルは確かに捕捉しにくいそうで、複数のイージス艦やレーダーの高機能化が必要と言っていました。
一方、高高度の方は今回も捕捉はできていました。確かに、当初2発が1発の分離と訂正されました。これが1発と発表した後に2発に訂正されれば探知能力に欠陥ありとなりますが、日本に向かう可能性のある2つの飛翔(ひしょう)物は捉えられていたのです。「日本人の生命と財産を守る」という目的を考えれば、出自はどうあれ、まずは把握が重要なのではないでしょうか。
では、韓国内でどんな議論になっているのか?
そのあたりは、昨日(7日)までソウル取材をしてきましたので、今週の「Ok!Cozy up!」を、ぜひお聞きください。YouTube、Podcastでも配信しています!
■飯田浩司(いいだ・こうじ) 1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!COZY UP!」(月~金曜朝6-8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。