“脱輪事故”急増 GWなぜ多い?

車で出掛けることが増えるこの時期、相次いでいるのが脱輪事故です。なぜ「今」なのか。続出する車のトラブルに迫ります。
【画像】同時に転がる2本のタイヤ
なぜ今?逆走が増えやすいGW
信号待ちの道路で、突然、反対車線にはみ出して走る車が、あわやバイクと正面衝突。黒い車は、反対車線から右折レーンに入り、曲がっていきました。
さらに、高速道路では…軽トラックがまさかの逆走!スピードを落とさないまま、次々と車とすれ違っていきます。
トンネルでも。目の前に突然現れた逆走車。
交通量が急増するゴールデンウィーク。こうした逆走が増えやすいといいます。
交通事故鑑定人 熊谷宗徳さん

「(GW増えるのが)逆走事故。普段慣れていない道路を走ることが多いので、インターチェンジやサービスエリアなど出た時に逆走方向に入り込む。対向車も来てないから自分は逆走じゃないと勘違い。逆走を始めてしまうことが多い」
高速道路での逆走は年間およそ200件。2日に1回のペースで起きています。
「逆走など間違った運転をしないために、初めて行くような土地を事前に(地図でルート)を見ておくのが大事」
“脱輪事故”相次ぐ
そして、このゴールデンウィーク、見逃せない危険がもう1つありました。それが脱輪です。突然、飛び出すように外れたタイヤはそのまま路肩へ。一歩間違えば大きな事故につながります。
こちらは、対向車線を走るトラック。すれ違った次の瞬間、転がるタイヤ。しかもこのトラック、直前にも、別のタイヤが外れていたことが分かります。
さらに、目を疑う光景が。2本のタイヤが同時に転がってきました。その後ろでは、タイヤを失ったトラックが停車。
そして、夜にはさらなる恐怖が…。破裂音が聞こえた直後、火を噴きながら迫るタイヤ。
もし人に直撃したら、どれほどの衝撃があるのでしょうか?国交省の実験では、時速60キロで外れたタイヤが直撃すると、人形は「くの字」になり、ベビーカーとともにおよそ4メートル飛ばされました。
人形にかかった衝撃を測定すると、頭蓋骨骨折、3カ所以上の肋骨(ろっこつ)骨折、脊椎損傷など、命に関わる大きな事故に。では、なぜ脱輪がゴールデンウィークに増えるのでしょうか?
熊谷さん

「スノータイヤからノーマルタイヤへ履き替え時期は4月が多い。特に自分で履き替えた場合、しっかりとナットの締め付けがされていない状態で乗っていると、どんどんナットが緩んでいってしまって、しまいには全部外れてしまう。走行中にそういう脱輪が実は多いです」
ゴールデンウィークはタイヤを交換した後、初めての長距離運転になる人も多く、脱輪が起きやすいタイミングだといいます。
事故に共通点も
岐阜市内の道路。対向車線を走る黒い車に注目。すれ違ったその瞬間、タイヤが脱輪。車体は前のめりに傾き、後ろの左側のタイヤが外れました。
国交省によると、大型車の脱輪事故のうち9割以上が左後ろのタイヤです。一体、なぜなのでしょうか?
熊谷さん

「脱輪事故の原因は日本特有の道路事情が大きく関係。日本は左側通行なので、常に左側の車輪、左側の後輪に負荷がかかっている」
特に負荷が集中するのが交差点です。左側通行の車が左折する場合、ほぼ直角にゆっくり曲がる必要があります。その際、左の後輪は、その場で90℃の方向転換をすることになり、強い負荷がかかるといいます。
一方、右折では速度を出して大きく曲がるため、車体に遠心力が働き、こちらも左側の車輪に負荷が集中します。
さらに、直線道路でも…。
「平面にしか見えないような道路でも、若干中央の方が高くなっていて、左の方が低くなっている。これは排水だとかを考えて、雨が降っても水たまりができないようになっている。そういう直線道路を走っている時も、実は左側の車輪には少しずつ負荷がかかっている」
こうした負荷が積み重なると、ナットが緩みタイヤが外れやすくなります。こまめな点検が事故を防ぐといいます。
「前輪の場合、ハンドルとつながっているので、ガタガタガタっていう異変があると気付きやすい。ただ後輪はなかなか気付けない。もっとも外れやすい左後輪は特に気を付けなくてはいけない」
(2026年5月5日放送分より)