麻疹(はしか)、おたふくかぜ、風疹を予防する3種混合のMMRワクチンについて、上野賢一郎厚生労働相は11日、国内での製造販売を承認した。国内では約30年ぶりに使用されることになる。今後、公費で受けられる定期接種化に向けて検討が進められる。
承認されたのは、3種のウイルスを弱毒化した生ワクチンの「ミムリット」。第一三共が開発した。現在は麻疹と風疹の2種混合のMRワクチンが定期接種、おたふくかぜワクチンは全額自己負担の任意接種となっている。3種混合を使えるようになれば接種回数が少なくなり、負担も軽減する。
MMRワクチンを巡っては、日本では1989年に別の製品が承認され、定期接種に導入された。しかし、これに含まれるおたふくかぜワクチンの副反応で発熱や嘔吐(おうと)などを起こす無菌性髄膜炎が問題になり、93年に使用中止となった。今回承認されたワクチンに使われたウイルスの系統は、無菌性髄膜炎の発生頻度が極めて少ないという。
おたふくかぜの合併症は無菌性髄膜炎、難聴、脳炎などがある。難聴は近年、おたふくかぜ患者の数百~1000人に1人に上ることが報告されている。
2015~16年の流行では成人を含めて少なくとも359人が「ムンプス難聴」と診断され、医学系学会がおたふくかぜワクチンの定期接種化を要望した。海外では120カ国以上で定期接種化されている。【中村好見】