―[言論ストロングスタイル]― 東京大学五月祭での参政党・神谷宗幣代表の講演が、会場前での座り込みや「差別的発言の撤回」を求める抗議に続き、午前に届いた爆破予告を受けて中止となり、大学は安全確認のため同日の全企画を取りやめた。 抗議と企画自体に賛否が拡大する中、著書『参政党のヒミツ』の著者で憲政史研究家の倉山満氏は「神谷氏が『トホホ』な言動の人だからと、その発言の機会を奪って良いのか。議論もせずに行動を起こしたら、単なる暴力だ」と指摘する(以下、倉山氏寄稿)。◆言論の自由は嫌いな奴が嫌なことを言う権利を守ってこそ 言論の自由は、自分が嫌いな奴が嫌なことを言う権利を守ってこそ、言論の自由である。好きな奴が好きなことを言う権利だけ守っても、権利を守ったことにはならない。 法格言に「貴方のその意見には命懸けで反対する。しかし、貴方がそれを言う権利は命懸けで守る」とあるが、本当にやる奴は滅多にいない。 珍しい例外が門(かど)寛子自民党衆議院議員である。中核派の学生に説教したら、国会前で議員辞職を求めるデモをされた。しかし、「私はそのデモをする権利を政治家として守らねばならないと心得ております」と宣言した。家族も含め命にかかわる脅迫をされたにも拘わらず。立派だ。 かくいう私も、皇室に関して発言していたら殺害予告が来た身なので、 他人事ではなく同情する。社会に向かってモノを言うのは、命懸けだ。◆1993年、ハマコー言いたい放題の講演 さて先日、東京大学の学園祭である五月祭で参政党の神谷宗幣代表の講演会が予定されていたが、学生団体「差別とデマのない五月祭を」と名乗る“過激派”が、過去の発言の撤回を迫る「誓約書」への署名を要求し、座り込みを行った。すると別の過激派が爆破予告。その日の五月祭全体が中止に。これに“過激派”「差別と~」が、自分たちは無関係だと声明する騒動があった。 面倒なので、「差別と~」の方を単に“過激派”と、爆破予告した者をテロリストと呼ぶ。 “過激派”はテロリストと別団体だと供述しているが、仮に本当だとしても、目くそ鼻くそを笑うの醜態だ。マトモな東大生が可哀そうだ。これでは、東大生全体がバカだと思われる。 昔の東大は、多様な言論に寛容だった。 たとえば1993年には、ハマコーこと浜田幸一代議士を講演に呼んで、言いたい放題に言わせた。その内容は、「俺は元ヤクザだ。東大法学部と言えば、検察官になる奴もいる。捕まえられる奴が捕まえる奴に、何の話をすればいいんだ?」「社会党の●●●!あいつは自民党から金を貰っている悪い奴なんだ!なぜそんなことが言えるか? 俺が渡したからだ」などなど。ちなみに実名で金額付き。それを東大生も楽しんでいたし、真面目な学生がハマコー氏を議論でやり込めている映像も残っている。