森友事件は再び法廷闘争…財務省の手書きノートと音声データ「不開示」を雅子さん提訴へ

【森友遺族・夫の死を巡る闘争記】
森友事件が再び法廷で争われることになった。
提訴するのは赤木雅子さん(55)。事件で文書改ざんを迫られ命を絶った近畿財務局の職員、赤木俊夫さんの妻だ。俊夫さんの上司のものとみられるノートを先月、財務省が不開示と決定したことについて、取り消しを求めて裁判に訴える。
森友学園への国有地巨額値引きと、経緯を記した文書の改ざんを巡っては、財務省がこの1年間、雅子さんの求めに応じ、関連する文書の開示を進めてきた。問題のノートについても開示すると言明してきたが、先月14日、一転して不開示決定を出したことは、当時日刊ゲンダイ(4月15日発行)で報じた通りだ。
財務省はノートが誰のものか明らかにしていないが、近畿財務局の管理職だとは認めた。このため、亡くなった赤木俊夫さんの上司だった統括国有財産管理官、池田靖氏のものとみられる。森友学園への国有地値引き売却の責任者であり、俊夫さんに公文書改ざんを命じた当事者でもある。ノートには事件の核心に迫るような新事実が記されているのではないかと期待されていた。
一連の情報開示でこの1年間に約14万6000枚もの文書が開示されたが、全面不開示の決定はこれが初めてだ。それまでの「開示する」という発言をいきなり反故にしたのは、都合の悪い事実が表に出るのを避けるためではないだろうか。
「財務省の言いなりになりたくない」と提訴を決断
さらにもう一つ不開示とされた情報がある。近畿財務局が森友学園との交渉を録音した音声データだ。財務省は代わりに音声の文字起こしを交付したが、その内容が正しいかどうかは音声を聞かないとわからない。その検証のためにも音声そのものの開示が欠かせない。
ノートを不開示にした理由として財務省は、私用のノートであり個人情報だと説明した。だが財務省が支給したノートを職場で業務のために使っているのに、この言い訳は成り立たない。音声についても不開示にする理屈は通らない、というのが雅子さんの弁護団の見解だ。
再び裁判となれば雅子さんの負担は大きい。それでも雅子さん自身が「財務省の言いなりになりたくない」と提訴を決断した。
不開示決定の取り消しを求める裁判は、今年6月にも大阪地裁に提訴される方針だ。
(相澤冬樹/ジャーナリスト・元NHK記者)