東京大学の学園祭「五月祭」で予定されていた参政党代表・神谷宗幣氏の講演が、爆破予告によって中止に追い込まれた。混乱に包まれた構内には、5か月間、党員として活動したジャーナリストの横田増生氏が居合わせた。潜入記者が見た事件の真相と、直後の参政党の臨時会見で起きた騒動をレポートする。(本文中敬称略)【前後編の前編】
参政党から来た「記者会見のお知らせ」メール
私が参政党から「臨時記者会見のお知らせ」というメールを受け取ったのは5月15日のこと。同18日の会見予定と合わせ「万障お繰り合わせの上、ご参加いただきますようよろしくお願いいたします」とあった。
2月の衆院選挙において参政党に潜入し、週刊ポストで記事を書いた直後の記者会見に参加して以来、毎月、会見の案内のメールを受け取っている。今回は所属議員の国保逃れに関する臨時会見だったので、当初、参加するつもりはなかった。
しかしメールを受け取った翌日、東京大学の五月祭で開催される予定だった参政党の神谷宗幣の講演会が、匿名アカウントからの爆破・殺害予告を受けて中止となり、その余波を受け午後3時ごろ、学祭の初日中止に追い込まれるという異常事態が発生した。
私は、講演会に参加を申し込んでおり、事件当日は午前中から東大のキャンパス内で参加者の列に並んでいた。その結果、図らずも事件に巻き込まれ、当事者兼取材者の立場となった。その顛末を記事に書くことになったので、神谷に話を聞くため会見に出ることにした。
当日は、衆議院議員会館のセキュリティーゲートを通った後、参政党の関係者から入館証を受け取り、会見場に向かった。
受付の女性が持っている出席者リストには私の名前が載っており、それを確認して入ろうとすると、その女性がサングラスをかけた男性に「この人、潜入取材をした人ですよ」と小声で伝えた。
しかし、黒メガネの男性は「いいよ、いいよ」と言って女性を制し、私の入場を許可した。その直後、私に「フリーランスってあるけど、どこで記事を書くの」と訊いてきた。
「週刊ポストです」と答えると、「週刊ポスト? 週刊ポストはあなたのことを知らないって言ってたけどなぁ」
まったくのデマである。この記者会見も、時間が合えば週刊ポストの担当者と2人で出るはずだったのが、担当者に別件の取材があって、1人で参加することになったのだ。
私は問うた。
「週刊ポストの誰が、いつ、私のことを知らないって言ったんですか」