外国人の在留手続きにかかる手数料の上限額を引き上げる改正入管法は29日、参院本会議で与党と国民民主、参政など各党の賛成多数で可決、成立した。上限額は在留資格の変更・更新で最大10倍、永住許可は最大30倍となり、実際に徴収される額も大幅な値上げとなる見込み。2026年度中の施行を目指す。
高市早苗政権が進める外国人政策の厳格化の一環。衆院では中道改革連合と共産党が反対し、参院では立憲民主党と共産は反対し、公明党は賛成した。政府は増収分は一般財源として「秩序ある共生社会」実現のための政策に充てるとしている。
在留資格の変更と期間の更新、永住許可の手数料は1981年からいずれも上限1万円で据え置かれてきた。改正法では、資格の変更・更新を上限10万円とし、永住許可を上限30万円に引き上げる。
実際の徴収額は政令で定められ、現在は窓口での資格の変更・更新は6000円、永住許可は1万円。政府は今後政令を改め、資格の変更・更新は在留期間に応じて1万~7万円程度、永住許可は20万円程度に引き上げることを想定している。
在留外国人数は25年末には過去最高の約413万人に上り、10年間で約189万人増と2倍近くになっている。政府は手数料を引き上げる理由として「受益者負担」を掲げる。在留外国人の利益となる政策の財源は自分たちで負担してもらうという考えで、増収分の使途として適正な出入国管理のための費用や日本語学習のプログラムなどに充てる方針を示している。
大幅な引き上げになるため「経済的に困難、その他特別の理由がある」場合は、減額または免除する措置を設けた。政府は困窮や難民などの人道的な理由を想定しており、対象になる人の要件を定めたガイドラインを施行日までに策定する。
また、改正法は渡航前に入国に関する情報の入力を求める電子渡航認証制度「JESTA(ジェスタ)」の導入も盛り込んだ。不法滞在の防止強化と入国審査の円滑化が目的で28年度中の施行を目指す。
短期滞在ビザの取得が免除されている訪日外国人観光客らが対象で、日本に渡航する前にパスポート情報などをオンラインで入力し、入管庁が過去に不法滞在歴がないかを確認する。認証を受けた外国人は入国時、旅券への証印が省略される。【岩本桜】