当時17歳の被害者Aさんを北海道旭川市の景勝地「神居古潭」の吊り橋から転落させ、殺害したなどの罪に問われている内田梨瑚被告(23)。事件から約2年経ち、ついに公判が始まったが、「殺意はなく、(Aさんを)橋から落下させてもいない」と殺人罪を否認している。
5月27日に旭川地裁で行われた第3回公判では、共謀の小西優花受刑者(21)が「リコさんがAさんの肩甲骨のところを両手で押した」などと証言した。なお、小西受刑者はすでに公判を終えて、懲役23年の判決が下されている。
Aさんは、内田被告の写った画像データを無断でSNSに投稿したことを発端に、因縁をつけられた。内田被告に呼び出されて、一緒に車でAさんを連れ回した小西受刑者は、事件当日が被害者との初対面だったそうで、「口数が少なくて大人しい子だと感じた」と振り返っている。
深夜、「神居古潭」に到着し、内田被告と小西受刑者は、Aさんを吊り橋の欄干に座らせて、「死ね」「落ちろ」などと罵倒したという。弁護人質問で、小西受刑者は「殺意があったと思う」と述べた。
弁護人:本気だったのか、Aさんを試していたのか? 小西受刑者:本気だったと思う。殺意があったと思うし、私もリコさんも「死ね」と100回以上言っていたから、Aさんはそれに従うしかなかったと思う。
また、内田被告の調書を読んだとして、小西受刑者は、「あの日の事実と全く違う」と指摘した。弁護人とそういったやり取りが行われている間、内田被告は表情を変えず、ただまっすぐ前を見ていた。
Aさんを連れ回している途中で立ち寄ったコンビニで、Aさんが大声を出して助けを求めた際、小西受刑者は馬乗りになってビンタするなど暴行を加えた。しかし、もともと自身は暴力的なタイプではなかったという。「小学生同士のケンカみたいなことはあったけど、今回のような暴力は一切なかった」と語った。
裁判官:なぜ今回は暴力を振るった? 小西受刑者:自分のことしか考えていなかった。(暴行の様子が)コンビニの防犯カメラに写り、捕まる不安とか怒りがAさんに向いてしまった。
また、内田被告がAさんに金銭を要求する中で、「パパ活で稼げ」と指示いていたことも明かされた。
恐怖と絶望の末に、Aさんは命を落とした。裁判官の「事件を起こさないために、どうすればよかったと思うか?」という質問に、小西受刑者は、以下のように答えた。
「リコさんから電話で、”留萌の子を旭川まで連れてきた”と聞いた時点で、これはヤバいんじゃないかと警察に通報すれば、Aさんを助けることはできたんじゃないか。それをできなかった私にも責任はあると思っている」
また、小西受刑者は証言席で、「償いの気持ちで受刑生活を送っていくが、ご遺族の方々にとって一番の償いは、私たちが死ぬことだと思う。本当に申し訳なく思います」とも真剣な表情で語っていた。
“殺意はなかった”とする内田被告と、”殺意はあったと思う”とする小西受刑者。裁判では、どちらの主張が真実と結論づけられるのだろうか。