6人が死亡した新名神の事故。きょう午後、三重県の津地裁で始まった初公判で、検察側はトラック運転手が、事故直前まで「TikTokを見ながら運転していた」と指摘しました。
ことし3月、3連休初日の未明に起きた大事故。高速道路上に残された大破した2台の乗用車は、真っ黒に焼け焦げ、原型をとどめないほど大きくゆがんでいます。
事故が起きたのは、三重県亀山市の新名神高速道路。大型トラックが渋滞の列に突っ込み、最初に追突された乗用車に乗っていた静岡県袋井市の松本幸司さん(45)一家5人と、その前を走っていた髙峰啓三さん(56)のあわせて6人が死亡しました。
「スマホを見ていた」時速約82キロメートルで脇見運転
大型トラックを運転していたのは、広島県安芸高田市の水谷水都代被告54歳。警察の調べに対し、水谷被告は「スマートフォンを見ていた」と話しています。
起訴状などによりますと、水谷被告は、スマートフォンの画面に脇見をしながら、時速約82キロメートルで車を運転。松本さんの車が渋滞で停まっていることに約9.4メートル手前で気づき、急ブレーキをかけましたが間に合わず、6人を死亡させた過失運転致死の罪に問われています。
松本さん一家は、観光で関西方面に向かう途中、髙峰さんは、兵庫県に帰省途中でした。
「TikTokで料理動画を見てスクリーンショットをしようと…」
きょう津地裁で始まった初公判。マスクにベージュのブラウス姿で法廷に立った水谷被告は、起訴内容に間違いがないか問われると…
「ありません」
うつむきながら小声で起訴内容を認めました。
検察側は冒頭陳述で、「TikTokで料理動画を見てスクリーンショットをしようとしたがうまくいかず、再度、スクリーンショットを試み13秒ほど脇見した」などと事故直前の状況を指摘しました。
遺族「『事故』で済まされるものではなく自動車を使った『殺人』」
一方、死亡した松本さん一家や髙峰さんの弁護士は裁判の後…
(松本幸司さん一家5人の遺族代理人 伊藤正朗弁護士) 「これが過失運転致死にならないのは、おかしいという気持ちはお持ちです。過失運転致死の中で1番重い刑を望まれる」
(髙峰啓三さんの遺族代理人 立花隆介弁護士) 「過失運転致死の範囲で最も重い処罰をという考え」
また、髙峰さんの妻や息子は書面で「これは単なる『事故』という言葉で済まされるものではなく自動車を使った『殺人』であると強く感じています」とコメントしています。
トラックの運転中、日常的にTikTokの動画などを見ていたという水谷被告。危険な運転をなぜ続けていたのか、今後の裁判で明らかになるのでしょうか。次回の裁判は、8月31日で被告人質問が行われます。