「組織とは何か? 暴力団、トクリュウ、そして我々自身」と題した小林雅彦・香川県警本部長の講演会が10日、高松市の香川大学であった。法学部の1年生約170人のほか、教職員や警察関係者らが、社会問題化して久しい匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ=匿流)の現状などについて耳を傾けた。
講演は同大学法学会が主催。幅広い視野で法や政治を考えようと学外からのゲストを招いて、年数回のペースで開催。愛知県警刑事部長や警察大学校組織犯罪対策教養部長などを歴任した小林本部長を招いた。
登壇した小林本部長は、暴力団は血のつながりは無いが「擬制血縁関係」で結びついてきた組織と説明。警察は企業や弁護士などと作る「大きな組織」で暴力団排除の成果を上げてきたと解説した。
トクリュウは暴力団の弱体化から徐々に出現したとし、誰がトップかメンバーかもよく分からず、組織としてのつながりが薄く、闇バイト集めにも好都合な形態とした。
栃木県で発生したトクリュウによる強盗殺人事件にも触れ、相当重い量刑になるとの見解を示した。また、多発するニセ警察や投資詐欺、ロマンス詐欺といった特殊詐欺には、捜査経験を交えながら注意を呼び掛けた。
終了後、小林本部長は「学生が闇バイトに加担させられた場合、使い捨てにされる末路を知ってほしい。独りで抱え込まずに、周りや警察に相談を」と話していた。【広田正人】