奈良県平群町で建設計画中の『メガソーラー』を巡り、周辺住民らが県の工事の差し止めなどを求めて訴えた裁判で、大阪高裁は18日、県の判断に違法性はないなどとした一審の判決を取り消し、住民側が逆転勝訴しました。
奈良県平群町では約5万枚の太陽光パネルを設置する『メガソーラー』の建設が計画されています。建設予定地の周辺住民らは、この計画が大雨による土砂災害の危険性を考慮していないなどとして、業者に対して工事の差し止めを、また県に対しては工事許可の取り消しを求め、それぞれ訴えを起こしていました。
奈良地裁は2025年3月、奈良県が工事の許可の判断で、土砂災害の危険性を考慮する際に使用した2つの基準について「不合理とはいえない」と判断。県が業者に開発を許可したことについては「裁量権の範囲の逸脱や濫用があるとは認められない」として、県の判断に違法性はないとの判決を下し、住民らの訴えを退けていました。
住民らは「住民の安全、安心は置き去りにされた」などと判決を不服として、去年4月に控訴していましたが、大阪高裁は、18日、県の判断に違法性はないなどとした一審の判決を取り消し、住民側が逆転勝訴しました。
判決文では、近年、降雨量が多い日が増加していることに触れ、「想定を上回る降雨量があれば、下流河川の流下能力を上回る水量が流出し、水害などの災害が発生するおそれがあるといわざるを得ない」などとし、「県が定めた基準か判断過程に不合理な点があるといわざるを得ず、許可処分の取消は免れない」と判断したということです。
判決後、原告団は会見を開き、「現状の工事を違法と判断し、開発を抜本的に見直す必要性を認めたことに安堵している」と声明を出し、奈良県に対しては「速やかにメガソーラー事業から撤退することを求める」と話しました。