高市首相のこだわり「実質0%」…食料品消費税の1%分を給付、「公約違反」批判を回避へ

政府と与野党による社会保障国民会議は、食料品の消費税率を「1%」に引き下げる案を軸に、最終調整が進む見通しとなった。「実質0%」と説明できるよう、1%分の税収を給付金で国民に還元する案となっているが、野党からは「議論が尽くされていない」と反発の声が出ている。(政治部 黒木健太朗)
「全体として飲食料品にかかる消費税の『実質ゼロ化』を実現する。一歩でも前に踏み出す方策として提案した」
実務者会議の議長を務める小野寺五典・自民党税制調査会長は17日の会議後、記者団に対し、議長案の意義をこう強調した。
小野寺氏は12日、欧州歴訪への出発を翌日に控えた高市首相と首相官邸でひそかに面会し、議長案の原案を示した。首相は、2月の衆院選の自民党公約で触れた食料品の「消費税ゼロ」の実現に強いこだわりを持つ。自身の意をくんだ「実質ゼロ」案に、首相は「お任せします」と受け入れる考えを示した。
議長案は、消費税率を0%に引き下げるより、半年近くレジシステムの改修にかかる期間が短い「1%」案を採用することで、来年4月からの減税を可能とするものだ。さらに1%分は中低所得者に給付として還元することで、「消費税ゼロの公約に違反する」という批判を回避する狙いもある。
小野寺氏は月内の中間とりまとめを目指しており、「来週は複数回、開催して精力的に協議したい」と意欲を示している。首相側は、7月に決定する「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に反映させ、秋の臨時国会で関連法案を成立させる道筋を描く。
ただ、これまでの実務者会議では、与野党から「1%」を積極的に推す声はなく、議長案が議論の一致点とは言いがたい。減税に慎重論を唱える野党からは「ほとんど議論していない」(国民民主党の古川元久代表代行)などと不満が噴出している。
これまで首相は、関連法案を提出する前提として「野党の協力が得られれば」と国会で説明してきた。発言との整合性も問われることになり、首相の判断が注目される。