独身と装って交際し、不当に婚約を破棄したとして、30歳代の女性が既婚者の男性を相手取り、損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は23日、男性に約466万円の支払いを命じた。高島剛裁判官は、女性が男性との間の子を出産していることを踏まえ、「精神的苦痛の大きさは計り知れない」と述べた。
判決などによると、デザイナーとして働く女性は2022年、知人の紹介で出会った会社員の男性と交際を開始。男性から独身で近くプロポーズしてくれる予定だと聞き、女性の両親を交えて食事や旅行に行くなどして交流を重ねた。男性の同意を得た上で、不妊治療を受け、24年に妊娠したことが分かったが、その約2か月後、男性に妻子がいることが判明した。
判決は、女性は既婚者とは交際できないと明確に告げていたにもかかわらず、男性が性行為を伴う交際を続けて妊娠・出産させるまでに至ったと言及。交際当初から結婚を前提に交際を重ねていたと認め、これを正当な理由なく破棄したことは、不法行為にあたると結論づけた。
その上で、女性が受けた精神的苦痛に対する慰謝料や不妊治療費、抑うつ状態を生じさせたことの診療費などを損害と認めた。
判決後、女性は「ほっとしたが、子どもに対する申し訳ないとの気持ちは消えない。同じ行為に及ぶ人が減ってほしい」と話した。