北海道江別市の公園で2024年10月、大学生のXさん(当時20)が男女6人から集団暴行を受け、死亡した事件。強盗致死などの罪に問われた川村葉音被告(21)に対し、札幌地裁の高杉昌希裁判長は6月25日、有期刑の上限となる懲役30年を言い渡した。
検察側は無期懲役を求刑したが、裁判長は判決公判で「川村被告が本件を主導したともいえない」「犯情は極めて悪質ながら、無期懲役とはいえない」と述べ、あくまで関与は限定的だったと判断した。【前後編の前編】
そんな川村被告の弁護側が、公判を通じ情状として主張したひとつが、高校時代の”いじめ被害”だった。
「弁護人からの被告人質問で川村被告は、理由はわからないがいじめに遭っていたと話している。本人によれば『キモい』『空気読め』などの悪口を言われたり、階段から突き落とされたこともあったといいます。
被告はこの経験から周囲に合わせたり、誘いを断れなくなったりしたとも述べている」(大手紙事件担当記者)
この”いじめ被害”について取材班は、川村被告と高校時代をともに過ごした同級生2人から重要な証言を得た。
「いじめはなかったはずです」
川村被告と高校1年生から3年生まで同じクラスだったというAさんは、弁護側の主張に首を傾げる。
「いじめはなかったはずです。被害妄想なのか、『あいつが私の悪口を言っている』みたいな感じで勝手に怒って、それでみんなが離れていくような感じ。いじめられているというより、相手にされていなかった、と表現するのが正確かも」
同級生が川村被告から離れていったのは、川村被告を”嫌いだったから”ではないという。高校1年生のときに同じクラスだった同級生のBさんも、”いじめ”という言葉に首を振った。
「いじめは全く見ていないです。いじめ……どこをどう見ていじめだったのか、うちらもわからないんです。友達はいましたよ。いつも2~3人は周りにいた。勝手にクラスの輪から離れていったって感じです。別に誰も嫌ってないのに。
裁判のニュースとかでいじめられていたって見ました。親にもこのことを話したら『そんなことなかったのにね。嘘だってバレたらどうするんだろう』と言っていました」
むしろ、川村被告のほうから同級生を遠ざける言動があったという。Bさんは入学早々、こんな光景を目にした。
「教室で『あいつマジ死ねよ!』みたいなことを大きい声で言っていたことがあって。入学して最初は、誰と仲良くなるかわからないからみんな一緒にいるじゃないですか。でもその一件があって彼女からちょっとずつ離れていった。