カンボジアで臓器移植を有償あっせんの疑い、元NPO理事長ら逮捕…保釈中にネットで募集「海外では日常的に実施」

カンボジアでの臓器移植をあっせんし、対価を受け取った疑いが強まったとして、警視庁は7日、横浜市都筑区中川、職業不詳の菊池仁達(ひろみち)容疑者(66)ら男3人を臓器移植法違反(有償あっせん)容疑で逮捕した。警視庁は、菊池容疑者が、患者を募集していた一般社団法人「国際医療相談室」(東京)を実質的に運営していたとみている。
海外での臓器移植を巡る有償あっせんの摘発は、1997年10月の同法施行後初めて。菊池容疑者は2023年2月、NPO法人「難病患者支援の会」(認証取り消し)理事長としてベラルーシでの移植を無許可であっせんしたとして、同法違反容疑で警視庁に逮捕され、その後懲役8月の実刑判決を受けて服役中だった。
捜査関係者によると、菊池容疑者らは相談室のウェブサイトで移植希望者を募集。東京都内の男性に計約1230万円を振り込ませた上で、カンボジアの病院で腎臓の移植手術を受けさせて、臓器移植のあっせんをした対価として利益供与を受けた疑いが持たれている。
サイトは、腎臓移植について、「海外では日常的に実施されているのが現実です」などと掲載しており、男性は25年11~12月、事務手数料名目で相談室の口座に300万円、「外科医謝礼金」名目で菊池容疑者名義の口座に約930万円を振り込んでいた。
現地では、相談室の職員のほか、いずれも中国籍の医師とコーディネーターが対応。腎臓は氏名不詳の女性から提供された生体移植で、この医師が手術を担当した。
都内の男性は移植費などとして現地で約2400万円を医師側に手渡したとされる。一方、男性が渡航前に振り込んだ約1230万円のうち、一部は、男性の移植手術とは無関係な支出に使われていたという。
菊池容疑者は初公判後の23年7月に保釈されたが、最高裁で上告が棄却され、今年1月に収容された。相談室は保釈中の24年3月に設立され、サイトでは「臓器移植法を尊重し、違法行為とは無縁の支援体制をとっています」としていた。
警視庁は昨年5月から捜査を開始。患者から事情を聞き、今年4月には相談室の事務所を臓器移植法違反容疑で捜索した。
臓器移植法は、臓器提供やそのあっせんの対価として金銭などの利益を得ることを禁じており、違反すれば5年以下の拘禁刑や500万円以下の罰金が科される。
警視庁は、カンボジアで移植を受けた都内の男性についても、臓器提供のあっせんを受けて対価として金銭を支払った疑いがあるとして、同法違反容疑で調べる。
難病患者支援の会は今年1月、菊池容疑者の有罪確定などを受け、東京都からNPOの認証を取り消されている。