「今年6月、あの家に住んでいる女性が夜間に裸足で駆けて行くのを見かけました。ヨレヨレのTシャツに短パン姿の小汚い恰好で、無我夢中にダッシュしていた。口にはマスクを着けており、いま思えば、容疑者から必死で逃げていたのでしょうか……。その頃には既に事件の前兆があったと思うと、恐ろしい限りです」
こう語るのは、同居人の唇を針と糸で縫い合わせる “口縫い事件”が起きた現場の近隣住民だ。猟奇的事件の背景で、何が起きていたのか――。
◇ ◇ ◇
昨年4頃から桜井が住む一軒家で同居
前代未聞の口縫い事件が発覚したのは7月6日のこと。社会部記者が言う。
「茨城県古河市で同居する女性(42)の上下の唇を縫い付け、全治不詳のけがを負わせたとして、自称アルバイトの桜井政恵容疑者(50)が茨城県警に傷害容疑で逮捕されました。被害女性は丸一日、会話も食事もできない状態だった。桜井が外出した隙を見て近所の商店に駆け込み、『助けて』などと書かれた紙を見せて事件発覚に至りました」
2人の間には血縁関係はなく、数年前から面識がある知人同士だったという。昨年4頃から桜井が住む一軒家で同居していたといい、別の近隣住民はこう語る。
「桜井さんの家に普段から出入りしていたのは、高校生くらいの息子さん2人と、40代くらいの中年女性2人。すれ違う時に会釈する程度で、ご近所トラブルは特にありませんでした」
この中年女性2人は何者なのだろうか。桜井の知人が明かす。
居候する“家出姉妹”との奇妙な共同生活
「2人は姉妹で、以前住んでいた家を出て桜井のところに転がり込んだそうです。桜井は『食費がかかってしょうがねえ』と愚痴っていました。今回、唇を縫い付けられた被害者も、その姉妹のどちらか。周囲から『あの姉妹を早く家に帰したほうがいいんじゃない?』と言われていましたが、まさかこんな事になるとは……」
居候する“家出姉妹”と奇妙な共同生活を送っていた桜井。同時に、事件現場の一軒家から車で5分ほどのアパートの一室にも部屋を借りていたという。
「桜井は一軒家のほかに別のアパートも借りていて、そこを行ったり来たりする“二拠点生活”みたいなことをしていました。アルバイトなのに、なんでそんなに金を持っているのか謎だった。アパートには主に息子たちが住んでいたみたいです」(同前)
このアパートを訪れると、確かに〈櫻井〉という表札が付いていた。近隣住民が言う。
「あの家族にいい印象はありません。母親と子ども2人が住んでいましたが、しょっちゅう怒鳴り声が聞こえてくるし、救急車とパトカーが来ることもしばしば。周囲との騒音トラブルも絶えなかったと思います」
さらに、別の近隣住民もこう証言する。
「挨拶はできないし、騒音もひどかった。アパートの玄関の扉はいつも開けっ放しで、子どもの友達が遊びに来た時もそのままだった。家族以外には、スキンヘッドに眼鏡でガタイのいい男も出入りしていました。ただ、今年の春先頃から母親を見かけなくなって、子どもだけで住むようになった。母親を見たのは今年3月が最後かな」
こうした謎多き生活を送っていた桜井だが、調べに対し、事件について「身に覚えがない」などと容疑を否認しているという。警察は生活実態を精査し、事件の経緯について捜査を進める方針だ。
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(「週刊文春」編集部/週刊文春)