「検察なめんな」、法廷で再生=元特捜検事の公判―大阪地裁

大阪地検特捜部の業務上横領事件の捜査で「検察なめんなよ」などと罵倒し、違法な取り調べをしたとして、付審判決定で特別公務員暴行陵虐罪に問われた元担当検事、田渕大輔被告(54)=現東京高検=の第2回公判が15日、大阪地裁(大森直子裁判長)であった。取り調べの様子を録音録画した映像のうち4日間、計1時間15分について法廷で再生された。
田渕被告は、横領事件で無罪が確定した不動産会社元社長の部下だった男性(61)の取り調べを担当。男性が元社長の関与などを認める供述に転じる直前の2019年12月8、9両日の言動の違法性が問われている。
映像では、逮捕翌日の同6日、録音録画に触れて「私は一つも気にしていない。言っていることが間違っていると思わないから」と発言。7日には、机を強くたたき「なめんじゃねえよ」と怒鳴った。
8日は、男性の話を遮って机をたたき「うそだろ」と威圧。「検察なめんなよ。命懸けてるんだよ、俺たちは」と声を荒らげた。9日には、容疑を否認する男性に「会社の評判をおとしめた大罪人」「損害を賠償できるのか」と問い詰めた。
検察官役の指定弁護士を務める山口昌之弁護士は閉廷後の記者会見で「一方的に話し、かなりの音量で、言葉遣いも非常に威圧的、侮辱的。問題のある取り調べだ」と指摘。一方、弁護人の森直也弁護士は「非常に長い取り調べのごく一部を切り取られ上映された。取り調べの趣旨や流れは、全体を見なければ分からない」と強調した。
田渕被告は初公判で、「言動に間違いはないが、陵虐の意図はなかった」と無罪を主張している。次回は8月24日で、事件の主任検事の証人尋問が行われる予定。 [時事通信社]