全東信の元幹部「数年前から破産の予兆」 約2万店へ「未払い」、粉飾決算も コロナや社員逮捕で経営悪化…加盟店“水増し”か

巨額の負債を抱え、破産手続きを開始した決済代行会社「全東信」をめぐり、元幹部が取材に応じ、「数年前から破産の予兆があった」と証言しました。破産から2週間あまりたちましたが、今も飲食店などでの混乱は続いています。
全東信の元幹部
「数年前から破産の予兆があった」
私たちの取材にこう答えたのは、決済代行会社「全東信」の元幹部です。
21日夜、多くの飲食店が集まる新橋では、いまだ、クレジットカード決済ができない店がいくつもあり、全東信の“破産”は、多くの飲食店に影響していました。
全東信を利用・和食店「福わうち」の店主
「これを貼って、とりあえず現金のみとアピール」
店の扉には、「現金のみ」との張り紙が。
――これはいつから?
全東信を利用・和食店「福わうち」の店主
「先週の土曜日。いちいち言うのもめんどくさいから」
――現金しか使えないのということは?
全東信を利用・和食店「福わうち」の店主
「聞かれる、確認なんでしょうね。説明してごめんなさいねって言って。そのたびに、何で俺が謝らなきゃいけないんだよって」
「福わうち」は、和牛のサーロインを使用した「肉じゃが」がウリの都内の和食料理店。今月6日に、全東信が総額1151億円以上の負債を抱え、破産手続きの開始決定をうけてからおよそ2週間。
全東信を利用・和食店「福わうち」の店主
「影響で1番大きいのは、カード使えないなら帰りますっていう」
先日は外国人の客が来たといいますが…。
全東信を利用・和食店「福わうち」の店主
「カードが使えないって言ったらもう帰るっていうから、『アイムソーリー、俺が悪いんじゃないけど』みたいなこと言いましたけど」
一方で、現在は常連客らが高い酒を注文するなど、協力的だといいます。
ただ、この先も影響が続けば…。
全東信を利用・和食店「福わうち」の店主
「落ちていくでしょうね、売り上げは」
クレジットカード決済を導入する飲食店などに対し、カード会社からの入金の前に、売り上げを立て替えて振り込むという全東信のサービス。
20年以上前から、全東信を利用していたこちらの店では、最後の入金は7月1日。6月の前半分となるおよそ200万円だったといいますが、残りの未払い分が入金されるメドはたっていないということです。
全東信を利用・和食店「福わうち」の店主
「返してくれれば恨みつらみ一切なし。全部振り込まれればそれでよし」
ただ…。
全東信を利用・和食店「福わうち」の店主
「(弁護士に)この前軽く話したら、返ってくることはないと、ごね損だと」
常連だという客からは。

「(店主が)あらかじめ連絡くださったので、ちゃんと現金を持ってきました。これだけキャッシュレスになってると急に不便さを感じてしまう」
店主は、別のクレジットカード決済代行会社への申請を進めていますが、審査などに時間がかかっているということです。
全東信を利用・和食店「福わうち」の店主
「僕らが支払いできないと、今度、酒屋さんや八百屋さんに支払いできない」
倒産が連鎖するのではないかと懸念していました。
破産管財人によると、全東信の加盟店およそ2万店で売上金の未払いが起きていて、その総額は53億円にのぼり、支払いのメドはたっていないということです。
私たちが入手した全東信の破産申立書。明らかになったのは、全東信で行われていた粉飾決算です。
社長は、少なくとも20年前から粉飾決算を行っていたことを明らかにしました。
葛原寛己記者(読売テレビ)
「全東信の決算書です。とある銀行の預金残高を見てみますと170億円あまりとなっていますが、実際の金額は8億円あまりとなっていて、かなり金額に差があるのがわかります」
預金残高を水増しするなどの手口で、粉飾を繰り返していました。現在は、およそ605億円もの債務超過の状態となっています。
また、私たちの取材により、会社内部で“ある異変”が起きていたことがわかってきました。
全東信の元幹部
「コロナで売り上げがガクッと落ちた」
きっかけは、新型コロナウイルス。緊急事態宣言により、加盟する飲食店が軒並み休業し、手数料の収入が要の全東信にとっては痛手となり、経営状況を圧迫したとしています。
さらに…。
全東信の元幹部
「2年前の社員の逮捕が重なって、全東信に対する銀行などからの信頼が落ちた」
2024年1月、当時の営業本部長らがぼったくり店などと加盟店契約を結ぶため、他人名義でウソの申請を行ったなどとして逮捕されました。
この元幹部は、「このままでは会社がつぶれると思った」といいます。
また、この幹部が指摘したのは、ホームページ上の加盟店の数。20万店舗を突破したと書いていますが…。
全東信の元幹部
「それはおそらく創業当時からの累計を足していて、解約したところも含まれている。最近では多くても加盟店は5万店舗程度だった」
破産管財人によると、直近で取引があった加盟店は3万2000店ほどだったといいます。
全東信の“破産”による影響はいつまで続くのか。
経済産業省は、影響が出ている事業者の資金繰りや事業継続に支障が出ないよう、全国378か所の政府系金融機関などに特別相談窓口を設置するなどしています。
終わりの見えない全東信“破産”の影響。事業者たちは対応に追われています。
(7月21日放送『news zero』より)