石川県の山野之義知事は23日、能登半島地震の災害公営住宅(復興公営住宅)について、入居希望者が整備予定戸数を上回った同県輪島市に県営住宅を整備する意向を明らかにした。同市内で坂口茂市長と面談した後、報道陣の取材に「(超過分の)約240戸を上限に県が責任を持って建設する」と述べた。他の自治体でも、計画の超過分については県が公営住宅を整備する方針。
輪島市では、自宅が大規模半壊以上の被害を受けるなどした被災者らの意向調査を基に昨年12月、最大975戸の整備を計画。ところが今月10日までの入居申請では、計画を244件上回る1219件の申し込みがあった。このうち一定以上の収入があり、4年目以降の家賃が割り増しになる「収入超過世帯」は170件に上った。
市は、計画を上回る申し込みがあった要因について、馳浩前知事が決めた災害公営住宅の「家賃3年間無償化」や住宅建設費の高騰などがあると分析。市の担当者は「自宅再建を考えていた世帯が災害公営住宅に回った。4年目から収入超過世帯の家賃が上がれば、退去して空き室になる可能性がある」と懸念を示し、坂口市長や地元議員らが県による災害公営住宅の整備などを求めていた。
坂口市長は報道陣の取材に「輪島市の財政負担を考えると、ほぼ満額回答」と評価。今後、県営住宅の建設用地選定や設計などについて協力していく考えを示した。【中尾卓英】