高市首相の強引な政治手法の裏に見える「人間不信」 旧知の友人の石井苗子・参院議員は「人に悪く言われるのに弱く、人一倍傷つきやすいところがあった」と指摘

高市内閣の支持率が急落している。毎日新聞調査では前月から10ポイント減の41%に。高い支持をバックに政権運営を続けてきた高市早苗・首相はこの結果に衝撃を受け、官邸は原因分析にあたっているというが、問題の本質は容易に解決できるものではなさそうだ。【前後編の前編】
強引な政治手法の背後にある「人間不信」
支持率急落の大きな理由が、その強引な政治手法だろう。
皇室典範改正をめぐっては、旧宮家の男系男子を皇族の養子に迎えるという皇室制度の根幹を変える改正案を国会でほとんど議論せず強引に成立させ、持論の国旗損壊罪の創設法案も短い審議時間で強行採決した。加えて中傷動画問題では強硬な対応が後手に回って国会混乱を招いた。
何でも1人で決め、誰にも相談しない”孤高の総理”といわれる高市首相だが、強引な政治手法の背後にあるのが人とのコミュニケーションが不得手という首相の「人間不信」的な一面ではないか。高市首相が議員との宴席を敬遠し、付き合いが悪いことは自民党内ではよく知られているが、官邸でも官僚と意思疎通がうまくいっていない。
官邸担当のベテラン記者が語る。
「高市さんは記者と付き合わないタイプなので、取材対応は実弟で政策秘書の知嗣氏がやっている。官邸の秘書官たちも総理本人とはあまりコミュニケーションが取れないから、知嗣氏に言って総理に伝えてもらう方法を取っているようです。姉の不得意な部分をうまくカバーしている人物です。
ただ、議員会館の知嗣氏と木下剛志・第一秘書がいる奈良の地元事務所のスタッフとはかなり距離があるようで、中傷動画問題では首相自ら木下秘書に聞き取りしていたから対応に非常に時間がかかった。国会ではこの問題で足を引っぱられて皇室典範改正の審議時間が少なくなり、消費税減税の議論も遅れている」
人一倍傷つきやすいところがあった
そんな首相のコミュニケーション不足について、自民党内では「高市さんは人を信用しないから、信用もされない」(ベテラン議員)という言い方がなされている。
とはいえ、昔から「人間不信」だったわけではない。
もともと飲み会は大好きで決して付き合いは悪くなかったという。高市氏が政界に出る前、テレビキャスター時代からの古い友人である維新の石井苗子・参院議員が語る。
「澄ましていたり、取っ付きにくかったりっていうのはないタイプでしたね。キャピキャピギャルでした。あの頃、飲み会というとプロデューサーがパーティやったりするでしょ。そこで一緒になったこともありました。他の人と皆でワイワイしてましたよ」
半面、人一倍傷つきやすいところがあったという。
「彼女は他の人から悪く言われるのに弱い。傷つきやすいほうです。プロデューサーとかに悪く言われて、『あんなこと言われて』とよく泣いてました。私も『傷ついているんだろうな』と思って見ていたことがありましたね。そのくらい純情でした。意外でしょ」(同前)
現在の「人を信じない」と言われる高市氏との違いについて質問すると、「昔はもっと他人を信じ込む、頼りにする人だったと思います。裏切られたことが多かったんじゃないかな」と語った。
高市氏の政治経歴を辿ると、転機となった出来事が見えてきた。政界進出にあたっての地元自民党との確執と、落選だ。続く記事で詳細にレポートする。
(後編に続く)
※週刊ポスト2026年8月7日号