3連休の最終日となった7月20日夜、高市早苗首相が突如Xで「深夜時間帯は明け方まで官邸から持ち帰りの資料読みや国会答弁資料読みに追われます」「総理就任以来、0時間~3時間睡眠が常態化」などと投稿した。自民内からは「寝てないアピール」と冷ややかな声も飛ぶ。もとより首相の仕事は多忙だが、そこには高市首相が周囲を信頼して任せることができない性格もあるようで……。
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「寝てない。だから何? で?」自民内からもあきれの声
3連休の最終日だった海の日の夜。高市首相はXで連休の過ごし方について、
「閣議決定を目前に控えた3本の文書の最終案を再度読み込んだり、数千通も溜まってしまったメール処理で今日(月)の明け方まで仕事に追われていましたが、今日の海の日の午後は、私的に使える貴重な時間になりました」と投稿した。
そしてそれだけでなく「平日は、(中略)深夜時間帯は明け方まで官邸から持ち帰りの資料読みや国会答弁資料読みに追われます。総理就任以来、0時間~3時間睡眠が常態化」と突如、普段の多忙さをアピールしたのだ。
これには足元の自民内からも戸惑いの声が上がった。
「首相が多忙な立場なのは誰もが知るところです。新聞に載る首相動静に休日は『一日中、公邸で過ごす』と書いてあっても、資料を読んだり、電話で政治家や官僚とやりとりしたり、というのは当たり前のこと。歴代首相もいちいち“寝てないアピール”“多忙アピール”はしていません。
寝ていないと言われても『だから何? で?』という感じですね……。『働いて働いて……』を好意的にとらえる国民も多かったので、支持率が下がったこのタイミングで、自分がいかに働いているか見せたかったのでしょうか」(自民関係者)
亭主関白夫に“ベタボレ”で家事も手を抜かず
高市首相が「働いて働いて…」いるのは、X投稿によると家庭でも同じようだ。
「平日は、公邸に戻ってから、風呂掃除、入浴、夕食、夕食後の洗い物、洗濯、簡単な掃除まででプライベートな時間は精一杯」
これまでの首相は全員男性で、妻がいたケースがほとんど。首相自身は警備の都合上、外出もしづらいため、必要な買い物や家事は妻をはじめとする家族が担うというケースが一般的だった。しかし高市首相の場合、夫の山本拓氏は脳梗塞や転倒後のけがを経て、療養・リハビリを続けているとされるうえ、
「山本氏には亭主関白な面もあるといわれ、体調面の事情があるとはいえ、高市氏に食事の用意など家事を求めることも多いと聞く。高市首相はそんな山本氏に『ベタボレ』だといい、甲斐甲斐しく世話を焼き、周囲に『公邸に帰ったら、ご飯作っとるんや』と語ったこともある。
首相公邸ではセキュリティ上、一般人のように家事代行を頼むのも難しいともいわれているので、家事をかなり自分でこなしているのだろう」(自民関係者)
高市首相が他人に任せることができず全て自分でこなそうとするのは、家事に限ったことではない。仕事面でも、昔から資料を隅から隅まで読み込み、自身で抱え込む癖があるのだ。
「首相就任前から、議員同士の飲み会が苦手で、夜や休日も議員宿舎にこもって資料を読んで徹底的に勉強するスタイルを続けてきた。その習慣が抜けず、周囲を信頼して任せるということができない。今も日常的にコミュニケーションをとれているのは、木原稔官房長官や飯田祐二首席首相秘書官ら一部に限られている」(全国紙政治部記者)
こうした仕事の進め方が国会運営にも影響したのではないかと、党内の一部から指摘されている。野党との折衝に当たってきた経験の長い自民の国対族が嘆く。
「高市首相は参院で与党が過半数を確保できていないことの意味を十分に理解せず、党に衆院議員定数削減法案など無理難題を押し付けていた。その結果、会期延長につながってしまった。あの法案に野党が大反対するなんて分かり切っていたこと。国会対策に長けた人物に判断を任せれば、もっとうまくできたはずなのに……」
「休まない」「内こもり」スタイルがどこまで通用するか
休まず働き、官邸と公邸にこもって仕事を抱え込むやり方が、党内でも疑問を持たれ始めている高市首相。自民関係者からは「そのやり方がどこまで通用するのか」と心配されている。
近年、長く続いた政権の首相は、うまく休みをとったり、官邸幹部らを信頼して仕事を任せたりといったスタイルを築いていた。
高市首相が敬愛する安倍晋三元首相は、第1次政権時にストレスをためこみ、その発散手段のひとつであるゴルフを控え、持病の潰瘍性大腸炎を悪化させて、退陣に至った。その反省を生かし、第2次政権では休日は定期的にゴルフに行ったり、夜は政治家や財界人だけでなく芸能人との会食などもこなしたりした。
その余裕が生まれていたのは、菅義偉官房長官(当時)や今井尚哉首相秘書官(同)など、信頼できる官邸幹部が政権中枢の運営を担い、重要課題への対応をある程度任せていた影響もあるだろう。
そうした姿勢は、党内基盤を盤石にするうえでも功を奏したようだ。
「安倍さんとは、よく一緒にゴルフをしたり、飲んだりした。映画とか芸能とか、政治以外の話もたくさんした。くだらない冗談も言い合った。そういう関係があって議員たちから『安倍さんっていい人だよね』と思われていたことが、総裁選での再選にもつながっていたはず。高市首相はそういう機会がめったにないので、来年の総裁選のような、いざというときに支えてくれる人が少ないのでは」(自民ベテラン議員)
睡眠時間が0~3時間になるほどのハードワークは、自身の健康を害するだけでなく、政権の寿命も縮めてしまうかもしれない。国会閉会を機に自身のスタイルを見直し、「働いて働いて働いて…」から少しは脱却することができるか。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班