事件のありようも時代と共に変わっていくのか。
北海道旭川市で女子高生を死亡させた事件で、主犯格とされる内田梨瑚被告(23)は先月22日、旭川地裁で懲役27年の判決を言い渡された(判決確定)。共犯女性は「舎弟」と呼ばれる関係にあり、内田被告を恐れていたことをうかがわせる証言をしている。
同じ北海道は江別市の大学生暴行死事件で、検察は、被害者の交際相手だった八木原亜麻被告(21=公判中)が発端をつくり、グループを主導した中心人物と位置付けている。八木原被告が暴行をあおるような言動をし、少年らが暴行に加わったことが、裁判で明らかになった。
札幌・すすきの首切断事件(2023年)では、田村瑠奈被告の公判で、家庭内で父母が従属的な立場にあったことが分かっている。また、今年7月には茨城県古河市で、女性の唇を針と糸で縫い付けた桜井政恵容疑者(50)が逮捕された。被害者の同居女性が「怖くて逃げ出せなかった」と供述していることから、桜井容疑者の支配下にあったと報じられている。
かつて「犯罪の陰に女あり」とことわざがあったように、女性は男性の陰で事件に関わるイメージが強かった。
しかし最近は、女性が中心となり、周囲が従う構図の事件が目立つ印象だ。こうした変化はなぜ起きているのか。元警視庁刑事の吉川祐二氏に聞いた。
「女性が首謀者となる事件が目立つようになった背景には、社会での立場や時代の変化も影響しているのでしょう。こういったケースを分析すると、男性であっても、強い女性に言い返せなくなっている。もっとも、マインドコントロール型の犯罪では、以前から女性が首謀者となるケースは少なくありません。犯罪心理の観点からは、男性が威圧的な言動で相手を従わせる傾向があるのに対し、女性は相手に寄り添いながら、ときに感情を強くぶつけるなどして相手を従わせる。男性が従属させられる背景には、恋愛感情などを通じて男性の心理に入り込みやすい面があるからとみています」
マインドコントロール型でいえば、角田美代子元被告(死亡)が、親族や知人を長期間にわたり精神的に支配し、暴力や監禁、金銭搾取を繰り返した「尼崎連続変死事件」(12年発覚)のほか、「北九州連続監禁殺人事件」(02年発覚)も首謀者は松永太死刑囚(65)だが、共犯の緒方純子受刑者(64)が家族を支配し、被害者への監視や虐待にも深く関与していたことが分かっている。
今どきは女も“陰”にはいない。