【解説】高市内閣 支持率“急落” 無党派層の支持離れ・政策の“優先順位”・「説明しない」姿勢 3つの要因とは

NNNと読売新聞が行った世論調査で、高市内閣の支持率は、先月の調査から12ポイント下がって57%で、去年10月の政権発足以降、最低となりました。日本テレビ政治部・矢岡亮一郎官邸キャップが解説します。
──支持率12ポイントもの下落、何が要因とみられているでしょうか。
下がった要因、データから見てみると、3つ考えられます。
(1)無党派層の支持離れ
(2)政策の“優先順位”
(3)「説明しない」姿勢
まず、「無党派層の支持離れ」です。「無党派層」というのは、政治にそこまで関心がなかったり、あっても特定の支持政党がない方、「移ろいやすい」層とも言えまして、私たちも政権の評価を見る上で、参考にしています。具体的にみていきます。
この無党派層による支持、政権発足直後の去年10月、63%でしたが、今回は、22ポイント下がっています。一方で与党支持層はというと、1ポイントしか下がっていません。いかに支持低下の大きな要因になっているかがわかります。
また、この無党派層では初めて、不支持が支持を上回りました。
では、なぜ無党派層が離れていったのか。閣僚経験もある自民党のベテランは、「政策の優先順位を間違えている」と厳しく批判をしています。
──“優先順位を間違えている”ところが、支持率低下の2つめの要因ということですね。
そうなんです。実は、去年10月の政権発足直後、私たちの調査では、「優先してほしい」政策課題を聞いていました。トップは「物価高対策」で92%、圧倒的です。一方で、今回成立した「副首都構想」維新肝いりの政策ですが、わずか、34%でした。
非常に期待が高かったこの「物価高への対応」を、「評価しない」が先月と比べてぐっと増えていることもわかりました。無党派層では8割が、与党支持層でも5割を超える人が、物価高対策に不満を持っています。
この結果に官邸幹部の一人は、「皇室典範や国旗損壊罪など、国民生活に直結しない政策ばかりやっていると受け止められてしまった」と分析していました。一方で、高市首相には法案・政策について、もっと国会審議などで説明してほしい、という声が根強いことも今回の調査でわかりました。
──野党は「首相が国会に出席する回数が少ない」と批判していましたよね?
そうなんです。出る出ないでかなりこの国会、揉めました。支持下落の3つめの要因、「説明しない」姿勢です。
世論調査で、「国民に十分説明していると思いますか」と問うたのですが、「思わない」が無党派層で7割以上、与党支持層でもその評価は、きっ抗しています。
高市首相は、先日、Xに「0時間から3時間睡眠」と投稿して話題になりましたが、取材していますと、会見など記者対応が少ない割に、Xの投稿が多くて、しかも長文の傾向があります。
野党の中道・階幹事長は、今回の支持率低下、「SNSと維新を重視しすぎたツケが回ってきた」と、指摘をしていました。自民党のあるベテラン議員は、「維新を頼りにするのではなく、自民党内の信頼できる仲間を増やすことが大事だ」とアドバイスもしています。
一方で、気になる数字もありました。自民党の支持率です。先月から8ポイント下がりました。こうなると、自民党内も動揺が始まる可能性があります。
自民党議員からは、「消費税は下げないと支持率はもっと下落する」と焦りの声も上がっています。今後、こうした不安の声が「高市首相離れ」につながるのか、ターニングポイントになる可能性もあります。
そこで、首相周辺は、今後の支持回復のポイントは、「消費減税の決断」と「内閣改造の人事」だと話しています。
──支持率回復のために消費減税をするとか、そういうことではなく、国民生活のためを思った政策を進めてもらいたいと思いますが、高市首相としては、公約を守って、そして人事を刷新していくというところでの支持率アップをねらっていくということでしょうか?
おっしゃる通りです。人事で言えば、高市首相は党内基盤が決して強いとは言えない総理大臣です。党内の求心力を維持、または高める狙いもあります。政権幹部によれば、高市首相は8月後半から9月にかけての時期で、内閣改造と自民党役員人事を検討しています。
高市首相は、政権発足直後の所信表明演説で、「政治とは、独断ではなく、共に語り、共に悩み、共に決める営みです」と訴えていました。この国会がその言葉通りになっていなかったのではないか、私たち国民も厳しい目で見ている現実を、今回の12ポイント急落という数字が象徴しています。