九州道で路面が隆起、八代駅構内では貨物列車が脱線し横転…交通網やライフラインに大きな影響

熊本県を28日夕に襲った激しい揺れで、九州の交通網やライフラインにも大きな影響が出た。
震度7を記録した熊本県宇城市の九州道では、路面の隆起が見られた。午後4時半頃、同市小川町で上り線の橋梁(きょうりょう)上を走行中だった読売新聞西部本社の井上雄貴販売局長(60)は、道路が1メートルほどせり上がるのを目撃した。井上局長は「隆起は確認できただけで数か所発生し、路面には幾つも亀裂が走っていた。高速道路の周囲では、複数の地点から黒煙が立ち上るのが見えた」と話した。
国土交通省によると、九州道など高速道路4路線のほか、国道も各地で通行止めとなっている。
JR九州によると、地震発生直後、JR九州管内の新幹線、在来線ともに全線で運転を見合わせた。西九州新幹線は約1時間半後に運転を再開したが、九州新幹線は博多―鹿児島中央駅間の運転を終日見合わせた。震度6強を観測した八代市の八代駅構内では、貨物列車が脱線して横転した。
福岡市のJR博多駅では多くの人が立ち往生し、熊本市北区の女性(78)は「自宅で物が倒れていると聞いた。熊本地震が思い出され、とても怖い」と話した。
国交省によると、28日の熊本発着便は計29便が欠航した。熊本空港では滑走路点検などで滑走路が閉鎖された。
九州電力によると、熊本県内で最大4万8530戸(午後5時9分時点)で停電が発生した。熊本市の一部ではガスの供給も止まっている。厚生労働省によると、午後9時45分現在、熊本県内では医療施設46か所で断水や停電などが確認されているという。
八代市の居酒屋では、店の前の道路が割れ、水が噴き上がった。「店内には酒瓶などが散乱している」という。
携帯電話大手各社は、熊本県内で通信障害が発生していると発表した。
28日午後7時40分時点で障害が確認された企業と地域は▽NTTドコモ(八代市)▽KDDI(八代市、人吉市)――など。各社は障害に対応するため、緊急時に携帯大手間で通信網を開放する「JAPANローミング」の提供を開始した。
「横揺れ1分弱、立っていられず」
激しい揺れは広範囲にわたり、各地の人々からは不安の声が聞かれた。
「激しい横揺れが1分弱続き、立っていられなかった」。震度6強を観測した熊本県八代市のホテル従業員(46)は声を震わせた。
同市立小の教頭も「10年前よりもすごい揺れだと感じた」と語った。縦揺れと横揺れが繰り返し起きたという。夏休み中で児童は不在だったが、階段のコンクリート部分が割れる被害が確認された。
震度7を記録した氷川町の特別養護老人ホームでは、利用者や職員計十数人が負傷したという。避難所にも影響が出ている。熊本市総合体育館では天井パネルが一部はがれ、空調設備が使えなくなった。天井の崩落や避難者の熱中症の危険性があるとして、受け入れを中止した。