「中に戻っていく人いた、心配」 店員語るイオンモール熊本爆発

地震後に爆発が起きた熊本県嘉島町のイオンモール熊本では、閉じ込められたとみられる多数の人の救助活動が夜通し続いた。関係者は安否不明者の無事を祈り、建物の外に避難して爆発を免れた1階洋服店の女性従業員(23)は「できるだけ多くの人に生き残ってほしい」と声を震わせた。
折れ曲がった多数の鉄骨
29日午前7時過ぎ、救助活動に加わった広島県警の隊員ら約10人がヘルメット姿で建物内に入った。
白い外壁がはがれ落ちた建物はむき出しになった骨組みや、折れ曲がった多数の鉄骨が、爆風の衝撃のすさまじさを物語っていた。敷地内の案内板は倒れ、建物から数十メートル離れた道路でもコンクリートのがれきが散乱し、吹き飛ばされたとみられるひしゃげた看板が植木に引っかかっていた。
従業員専用出入り口付近で爆発?
1階洋服店で働いていた女性従業員によると、立っていられないほどの横揺れは1分近く続き、マネキンや洋服をさげるラックが次々となぎ倒された。店内には女性を含む従業員3人と客1人がいて、揺れが収まると一緒に出入り口から避難した。その後、従業員専用出入り口付近に移動し、30分ほど待機していたところ、イオン本社から、営業中止の連絡と、従業員宛てに帰宅を促す指示があり、建物から約200メートルのアパートに帰宅した。
余震が続いていたため、すぐに逃げられるように玄関に待機していた時、突然「バーン」という落雷のような大きな音が聞こえた。すぐに外に出ると、周辺は白煙で真っ白な状態だった。爆発は女性が待機していた従業員専用出入り口付近で起きたとみられる。
LINEでいまだ既読つかない知人
女性によるとイオンモールで働く従業員は、災害時は客の誘導を率先するように指導されていた。女性は「私が建物外に避難した時も、他の店員が避難誘導している様子があった。安全確認のためなのか、中に戻っていく人も見られたので、(爆発の)被害に遭っていないか心配だ」と声を詰まらせた。
熊本市中央区の会社員男性(48)は、イオンモール2階のアパレル店で働く30代の知人女性にLINE(ライン)でこれまでに約50通のメッセージを送り、安否を尋ねているが、いまだに既読がつかないという。「無事でいてほしい。短文でもいいから返事があれば」。男性は祈るように話した。【栗栖由喜】