市職員の募集、32人程度採用する予定が開始前日に急きょ取りやめ「苦渋の決断」…受験希望者らから苦情

埼玉県久喜市が来春の行政事務職員の採用について、募集開始前日の23日に急きょ取りやめたことがわかった。ホームページの告知で、「市政運営全般を総合的に勘案した」などとする貴志信智市長の説明を記載している。財政運営の見直しが背景にあるものの、昨年度は約130人が応募しており、混乱が広がっている。
市人事課によると、行政事務職は当初、24日~8月11日に募集し、試験を経て来年4月に32人程度を採用する予定だった。来年3月末に行政事務職が大半を占める職員36人が退職する見込みで、この不足分を埋めるのが目的だった。
市は大型建設事業が集中し、借金にあたる市債残高が今年度末で過去最大の約670億円に達する見通し。今回の採用取りやめで人件費約1億5000万円の削減となる半面、職員の業務負担の増加などが懸念されている。
28日までに受験希望者や学校の就職担当者らから苦情が数件寄せられているといい、行政改革を訴えて4月に初当選した貴志市長は、読売新聞の取材に「急な対応になったが、財政運営の改善は待ったなしで、苦渋の決断だった」と説明している。
今秋と来春の民間経験者や専門職の採用は予定通り実施される。