朝鮮半島出身の原爆犠牲者を追悼する二つの集いが5日、広島市内であった。
平和記念公園(同市中区)にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑前では在日本大韓民国民団広島県地方本部が主催する慰霊祭が営まれ、在日コリアンや被爆者ら約280人が参列した。57回目の今年は初めて韓国政府の在外同胞庁が韓国在住被爆者や家族の参列を企画し、25人が参加した。
慰霊祭ではこの1年で新たに亡くなった2人の被爆者を加えた計2826人の死没者名簿を奉納し、チマ・チョゴリ姿の女性が慰霊の歌をささげた。
韓国・大邱(テグ)市から参列した胎内被爆者の鄭炳出(チョン・ビョンチュル)さん(80)は「両親や親戚が被爆し、言葉では表せないほどの惨劇だったのではないかと思いをはせながら世界平和を祈った」と話した。
広島流川教会(同市中区)では「朝鮮人原爆犠牲者追悼式」があり、約120人が折り鶴をささげて追悼した。昨年、市民団体が中心となって初開催し、今年で2回目。ソウルから参加した曹源虎(チョ・ウォノ)さん(62)は「朝鮮人は自らの意思に反して日本で暮らし、原爆の被害に遭った。米国と日本政府は責任を認め、謝罪と補償をしてほしい」と話した。【松本美緒、井村陸】