朝鮮学校を高校無償化の対象にしなかった処分は違法だとして、元生徒や学校法人が国を相手に起こした東京、大阪の二つの訴訟の敗訴が確定したことを受け、原告らが30日、東京・霞が関の文部科学省前で抗議集会を開いた。
集会には主催者発表で約600人が参加。小雨が降る中、「不当判決を許さない」「無償化適用」と書かれた横断幕を掲げ、「不当な差別をやめろ」などと声を上げた。
東京都内の大学院に通う原告の男性(23)は文科省の庁舎に向かい、「私たちの民族的アイデンティティーを汚すような今回の決定は本当に許せない。最後まで闘う」と訴えた。
同種訴訟は全国5カ所で起こされ、最高裁は27日付で東京と大阪での訴訟について、原告側の上告を退け、敗訴が確定。名古屋、広島、福岡の残り3件では1審で原告側が敗訴し、高裁に係属中。【後藤由耶】