高市首相、非核三原則「堅持」改めて表明 被爆者からは危惧の声

高市早苗首相は9日、長崎市での記者会見で、核兵器のない世界に向け「現実的かつ実践的な取り組み」を進めると強調した。非核三原則を巡っては「政策上の方針として堅持しているということに変わりはない」とし、6日の広島平和記念式典時と同様の政府方針の現状説明にとどめた。長崎の被爆者からは、核廃絶への首相の本気度をいぶかる声が相次いだ。
首相は年末に予定する安保関連3文書の改定で三原則を見直すかどうかについても「予断することは差し控える」と言及を避けた。核兵器禁止条約への対応を巡っても、周辺の安保環境を踏まえ「何が真に効果的かという観点から検討する必要がある」と語った。
首相は非核三原則の「持ち込ませず」の見直しが持論。首相就任後は見直しに直接言及はしていないが、安保関連3文書の改定では「持ち込ませず」の見直しが論点になりつつある。
長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(85)は「今までの内閣と違うのは非核三原則を『国是』ではなく『政策上の方針』と繰り返すところだ。政策がなくなれば非核三原則もなくなってしまう。(7月成立の国旗損壊処罰法などを念頭に)日本が戦前に戻っていくんじゃないかと思える法律が軒並み出されている」と危機感をあらわにした。
長崎県被爆者手帳友の会の朝長万左男会長(83)も「三原則の見直しなど他に考えがあるんじゃないかと思わせ、不安を感じた。高市さんは本当のことを言わない」と肩を落とした。【猪森万里夏、尾形有菜、諸隈美紗稀】