5月14日、栃木県上三川町で起きた闇バイトをきっかけとした強盗殺人事件。住宅に押し入った高校生4人によって、この家に暮らしていた富山英子さん(69)が命を奪われ、助けに入った30代と40代の息子2人も重傷を負った。
「のどかな住宅街で起きた凄惨な事件は全国に衝撃を与えました。実行役とされる少年4人に加えて、指示役とされる20代の夫婦も逮捕。さらに犯行を主導したとみられる48歳の男性は海外へ逃亡し、警察が行方を追っています」(全国紙社会部記者)
事件発生から約2か月半。捜査は着々と進む一方で、残された被害女性の家族は、あの日から時間が止まったままだ。
捜査関係者によると、事件現場となった住宅には現在も栃木県警本部の警察官が24時間態勢で常駐しているという。
「ご遺族の希望もあり、不安が払拭されるまでは警戒を続ける予定です。上三川町一帯でも警察が適宜巡回し、不審者や不審車両への警戒を続けています。その効果もあってか、事件後は不審車両や類似事件は1件も確認されておらず、事件に便乗した詐欺被害なども報告されていません」(捜査関係者)
近隣住民は、被害女性の家族の現在についてこう話す。
「旦那さんは事件後しばらくホテルで生活されていましたが、最近になって家へ戻ってきたようです。ケガをした長男と次男も仕事に復帰したと聞いています。次男は頭をケガされたため復帰まで時間がかかったそうですが、今はみなさん元気そうにされています。でも、私たちも何と声をかけてあげればいいのかわからなくて……」
身体の傷は癒えても、心の傷が消えるには、まだ時間が必要なのだろう。
指示役夫婦のほうが厳罰となる可能性
今後、注目されるのは実行役や指示役らの刑事責任だ。アディーレ法律事務所の長井健一弁護士は、
「起訴罪名がはっきりしませんが、少なくとも実行役の少年4人については、強盗殺人、強盗殺人未遂で審理されると思います。
しかし、少年4人はいずれも18歳未満ですので、少年法が適用されるため、死刑は科されず、上限は無期拘禁刑となります」
と説明する。一方、実行役ではなく指示役とされる20代の夫婦については、
「少年が実行犯、大人が指示役であった本件では、指示役夫婦のほうが厳罰となる可能性もあります」(長井弁護士、以下同)
と話す。近年、闇バイトを入り口とした強盗事件が後を絶たない。
「高額報酬をうたうバイト募集は、詐欺や犯罪に加担させられると考え、決して近づかないことが重要です」
と警鐘を鳴らす。被害者家族は仕事へ復帰し、自宅での生活も再開した。しかし、家族の不安が消えたわけではないようだ。
週刊女性2026年8月18日・25日号