異様な雰囲気だった。
正副議長ポストを巡るカツアゲ疑惑など数々の問題で集中砲火を浴びている福岡県議会の“ドン”こと蔵内勇夫議長。17日の臨時議会で、議長職の辞職勧告決議案が採決される予定だったが“身内”の自民党県議団の議員が採決中止を求める緊急動議を提出し、賛成多数で採決が見送られた。
この日の議会は午前11時開始予定だったが、実際に始まったのは午後4時前。まず、カツアゲ疑惑を受け副議長を辞職した中尾正幸前県議の後任を選ぶ選挙が行われ、自民会派の県議が選出された。
その後、決議案採決に当たり、当事者の蔵内議長は退出。代わって新副議長が議長席に座り採決に移ろうとするや、自民若手が「動議!」と声を張り上げ「(今月上旬に設置された)第三者委員会による調査も終了していない状況で辞職勧告決議案は時期尚早」との理由で投票中止を求めた。動議が認められるや、新副議長が起立採決を実施。瞬く間に「賛成多数」で決議案採決は中止となった。
議会が閉会したのは午後5時前で、わずか1時間程度のスピード決着。仕切り役も動議提出も自民県議で“台本通り”の空気を感じ取ったのか、傍聴席から「茶番劇だ!」と怒号が飛んでいた。
「起立採決の結果は『賛成9、反対1』といった一目で分かるものではなかった。なのに、副議長は採決後、すぐさま『起立多数と認めます』と判断。初めから可決されると分かっていたかのようでした」(県政関係者)
県議会の定数は87で欠員が1。議長を除けば過半数は43だが、蔵内議長の“身内”である自民会派は40人だ。動議を可決させるため「自民が他会派の切り崩しを行った」(同前)とみられている。
県政担当記者が言う。
「臨時議会開会が予定より大幅に遅れたのは、自民側が議員団の総会などを開くといった理由を持ち出したから。時間稼ぎしている間に決議案をどう潰すかを協議していたようです」
■辞職の真意は「身内の不満潰し」
そんな中、突如飛び出したのが、蔵内議長の議長辞職の一報だ。蔵内議長が臨時議会直前に、9月定例会で政治倫理条例制定など議会改革のメドがつけば、議長を辞任する考えを周囲に示したという。
「実は、今回の騒動について、来春に県議選を控える自民の若手から不安や不満が続出しています。騒動が選挙に悪影響を与えかねないわけですから当然です。彼らの不満を抑えるために、蔵内さんは議長辞職を打ち出さざるを得なかったとみられています」(同前)
辞職劇はまるでヤラセ。そもそも、一連の告発について、裏で糸を引いているのが「蔵内憎し」のベテラン県議、という見方もある。“泥沼政争”はまだ終わりそうにない。
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被災者のことは、頭になかったのだろうか──。自民党福岡県議団の会長・松尾統章県議は熊本で震度7の巨大地震が発生した7月28日に政治資金パーティーを開催していた。関連記事【もっと読む】『熊本震度7地震の1時間後に「政治資金パーティー」開催…被災地ガン無視の自民党福岡県議団に批判殺到の当然』で詳しく報じている。