工事費を水増し請求していたとして、男が逮捕されました。男は、大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」を担当した現場責任者でした。
来場者数は半年でのべ2900万人。“成功”で幕を下ろした大阪・関西万博。そのシンボル、およそ350億円かけて建てられた「大屋根リング」の現場責任者がこの男。
現場責任者・河井辰巳容疑者(2024年)
「6か月しか建物は見ていただけないのですが、こうやってモノを作ったんだと、記憶に残るようなプロジェクトにできたら」
大手ゼネコン「竹中工務店」で総括作業所長を務めていた河井辰巳容疑者(61)。19日、背任の疑いで逮捕されました。
2024年、大屋根リングの建設現場でNNNの取材に応えていた河井容疑者。
河井辰巳容疑者(2024年)
「会社に入って数十年たっていますが、こういう機会は二度とない。建設の技術者にとっては非常に誇れる現場だと自負しています」
現場責任者として“仕事への誇り”を語っていましたが…。
記者(きょう)
「午前11時すぎです。大阪府警の捜査員が竹中工務店の本社に家宅捜索に入ります」
警察は19日、河井容疑者の勤め先である「竹中工務店」を家宅捜索。警察によりますと、河井容疑者は去年、万博会場の工事費について、下請け業者と“水増し請求”を共謀したとみられています。
そして、自らが勤める会社におよそ2779万円の工事費用を請求。その半分ほどにあたる、およそ1369万円が水増し分だったということです。
その使い道とみられるのが、奈良市にある河井容疑者の自宅。2階部分には、建てられたばかりのような目新しいバルコニーも。実は水増し請求によって、不正に得たとみられるカネを自宅のリフォーム代などに充てたとみられているのです。
去年、幕を下ろした万博会場。およそ2キロあった「大屋根リング」は、200メートルほどを残し解体が終わっていました。
“万博のレガシー”として未来に継承されますが…。事件に憤りをみせていたのは、大阪府の吉村洋文知事。
――万博のレガシーに泥を塗るような行為では?
大阪府・吉村洋文知事
「本当に残念に思います。竹中工務店には厳正に対処してもらいたい」
竹中工務店は従業員である河井容疑者の逮捕を受けて、「再発防止に向けて、内部統制および管理体制と教育を一層強化し、コンプライアンスの徹底に全力で取り組んでまいります」などとコメントしています。
警察は、河井容疑者の認否を明らかにしていませんが、カネの流れなど詳しい経緯を調べています。