ずさんな行政運営が行われ、次々と違法状態が発覚した沖縄県の米ワシントン事務所を巡る問題で、県は21日、県議会の調査特別委員会(百条委)の調査報告書を踏まえ県の考え方を示した「報告書(別冊)」を公表した。一連の問題が生じた要因として「事前の検討不足、関係者間のコミュニケーション不足、関係法令の理解不足、組織体制の脆弱(ぜいじゃく)さがあった」とした。
玉城デニー知事は21日の定例記者会見で「深く反省しなければならないことから、徹底した再発防止策も含め、深く反省を示している」と述べた。違法状態のまま長年運営されたワシントン事務所は昨年6月に閉鎖されているが、玉城知事は事務所を再設置する意向を改めて示し、「アメリカ、日本における合法的な形でうまく調整できるか検討を重ねている。検討が整ったら、また新たな形で発表できればと考えている」と語った。
ワシントン事務所は2015(平成27)年、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対した翁長雄志前知事(故人)の肝煎りで設立。実質的なロビー活動を目的にする異色の事務所で、年間1憶円程度の公費が投入されてきた。
ビザ取得で虚偽書類など問題相次ぐ
その後、設立によって取得した株式を県の公有財産に登録しなかったほか、事務所駐在員の米ビザ取得を巡って米移民局に虚偽の書類を提出したことなどが次々と発覚。疑惑を追及する県議会の百条委が2024(令和6)年に設置され、玉城知事や事務所の初代所長ら関係者を証人尋問するなど約1年半にわたり事実関係を調査してきた。
今年7月に公表された百条委の報告書は、一連の問題を具体化した上で「執行部における答弁や説明の不十分さ、答弁の訂正の繰り返し、関係者の証言や認識の食い違い、執行部に対する関連記録の提出要求における記録の不存在や黒塗りの多さなどの問題」があり、調査が停滞したとも指摘した。一連の問題を受け、県議会は玉城知事に対する問責決議を賛成多数で可決した。
外交と安全保障は国の専管事項。国の方針と対立する県の〝二重外交〟は国益を損なう恐れも指摘されており、事務所の再設置には慎重な判断が求められる。(大竹直樹)