先週、千葉を襲った豪雨は20日で1週間となりました。県内の各所で冠水が起きましたが、その水がひくまでの時間は地域によって差がありました。「news zero」はその理由を取材しました。
豪雨当日の大網白里市を流れる小中川の様子を捉えた映像。午後6時ごろから水が増え始め、およそ6時間後には水があふれ街に流れ込み、道路と川の境目がわからなくなりました。
13人が亡くなった千葉豪雨から1週間。
千葉市民
「靴沈みながら帰った」
──どのあたりまで沈んだ?
千葉市民
「ここらへんまで。見たことなかったので怖かった」
──(翌日)水はどうなっていた?
千葉市民
「水はひいてました、朝は」
豪雨となった当日、千葉市中央区の道路は地面が見えなくなるほど冠水。
人の膝まで迫りましたが、およそ2時間後には水はひき、普段通り通行できるようになっていました。
一方で、大網白里市では。
記者(14日)
「住宅地全域が水没しています」
一夜明けても広い範囲で冠水は続きました。
翌日には水がひいていた千葉市に対し、なぜ大網白里市では冠水が続いたのか。
記者(20日)
「豪雨から1週間たちましたが、あちらのお店はまだ営業再開に至っていません」
休業が続いていたのは、水に囲まれていたラーメン店です。
冠水被害のラーメン店代表
「これくらいまでは、いっている」
記者
「腰あたりまで、当時、水がきていた…」
豪雨翌日の朝、様子を見にきたといいますが。
冠水被害のラーメン店代表
「気になってきたけど、まだ入れる状態じゃなかった」
地面が見えなくなるほどの水が店まで迫っていました。
冠水被害のラーメン店代表
「まだ水が残っていたので復旧作業ができなかった」
冠水被害のラーメン店代表
「(水は)このあたりまではいってた」
記者
「朝見たとき?」
冠水被害のラーメン店代表
「そうです」
完全に水がひいたのは雨から2日後だったといいます。
なぜ水がひくのに地域差があるのか。河川の氾濫などに詳しい専門家は…
中央大学機構教授 古米弘明氏
「(大網白里市は)低平地の上流側の丘陵地に降った雨も集まって、小中川・金谷川を通じて水が流れ込んできた。その河川の排水能力以上に雨が降ったことによって、河川が氾濫する『外水氾濫』が起こったと思います」
「外水氾濫」とは河川などの水位が上昇することで水があふれ、外に流れ出す現象。水のひきが早かった千葉市では、用水路などが排水能力を超えて水があふれる「内水氾濫」の可能性が指摘されています。
一方、古米さんは、大網白里市では「内水氾濫」と「外水氾濫」の両方が、大きな冠水被害をもたらした可能性があると指摘します。
実際、カメラには市内を流れる小中川が氾濫する様子が映っていて、川の近くで事務所をかまえている人は…
事務所が冠水被害にあった人
「ここまで(水が)来ちゃった。(車の)シートの上まで来てるんだよね」
事務所が冠水被害にあった人
「普通ここまでいったら流れていくでしょ? (川から水が)あふれちゃうと行き場ないからこっち来る。こっち来ると(道が)川になっちゃう。10分で(水が)40センチくらい上がった」
増水してから一気に水が流れ込んできたといいます。
古米さんは、本来、街から流れていく先の川が増水していたことで排水能力が機能していなかったのではないかと指摘します。
中央大学機構教授 古米弘明氏
「河川の水位が低いときだけ排水できる。(水位が)上がってしまうと排水できない状態になるので、排水にかかる時間が長くなる」
内水氾濫と外水氾濫の両方が起きたことで、排水までに時間がかかってしまったという大網白里市。今後、どのような対策が求められるのか。
中央大学機構教授 古米弘明氏
「河川の流下能力が大きくない限り、市街地の雨水を河川に取り込むことはできない。河川の流下能力・海側に流す能力が高くならないと、市街地の雨水排除の施設整備は若干時間がかかる」
千葉県の熊谷知事は今後、氾濫した小中川の河川整備を加速させていくとしています。
(8月20日放送『news zero』より)