栃木県鹿沼市の東武日光線新鹿沼駅で作業員4人が特急列車にはねられ死亡した事故で、除草作業を始めてから事故発生までに上下計3本の列車が問題なく通過していたことが23日、東武鉄道などへの取材で判明した。作業開始の約45分後、何らかのミスがあり事故が起きたとみられる。
栃木県警は23日、作業の元請けだった東武鉄道のグループ会社「東武建設」(同県日光市)を業務上過失致死容疑で家宅捜索した。見張り員の連携など安全管理が不十分だったとみて調べる。
捜索を受けたのは東武建設の関係先3カ所。このうち総務部が入居する日光市今市のビルには午前9時ごろ、捜査員11人が段ボールを手に入った。作業の契約書類、安全管理や安全教育に関する資料を押収した。
作業員は移動しながら作業
また、東武鉄道などへの取材で、当日は午前10時の作業開始から事故発生までに、特急列車を含む上り列車1本と下り列車2本が問題なく駅に停車し、出発していたことが判明した。
作業員は駅の東京寄りの踏切から下り線の作業を始め、次の踏切で駅に向けて折り返し、上り線で作業をする手順で、上り線の作業中に事故が起きた。
東武鉄道によると、列車が進入する側の約315メートル離れた場所に「中継見張り員」、約80メートル手前に「列車見張り員」を配置。これらの見張り員も、作業員とともに場所を変えながら見張りをする決まりだった。
当時周辺にいた作業員7人と見張り員3人は複数の会社の従業員らで構成され、作業員のうち作業指揮者1人と死亡した監督役1人が東武建設の社員だった。
県警は45人態勢の特別捜査班を設置。無事だった作業員や見張り員、運転士の事情聴取を進めている。【白川徹】